フェブラリーS
レース回顧

アドマイヤドンはスタート後の芝で行き場を失い後方2番手に下がったが、外に出して中団まで追い上げた。直線に向くと抜群の手応えでいざ追い出すと鋭く伸びて前の馬をきっちり差し切った。2着とは半馬身差だったが、余力たっぷりに抜け出したように着差以上に強い内容。スタート後の位置取りは悪かったが、道中のペースが遅かったことで楽に中団まで押し上げられた。ただ大外を回るロスがあって、この勝ちっぷりは力がないとできないこと。パドックではこれまでにないくらいのんびり歩いていたが、いつも通り目つきは鋭かった。徐々に落ち着きが出てきている。次走はドバイワールドカップ。日本ダートの現役最強馬が世界の強豪を相手にどこまでやれるのか楽しみだ。

サイレントディールは中団の最内を進み、直線では前が詰まって抜け出すのに苦労したが、ラスト100mから猛然と追い込んで2着に突っ込んだ。最後の伸び脚はこれまで見せたことのないような大きなストライドだったのが印象的。やや脚を余した感もあるが、今回のように終いの競馬ができればさらに強くなりそうだ。これまではイレ込みがきつくパドックでは馬体を細く見せていたが、今回は落ち着きがあり、プラス12キロで全体的に馬体がしっかりしてきた印象。これまでのイメージを一新させる馬体、落ち着き、そしてレースぶり。今後が楽しみになった。

スターリングローズは3番手からしぶとく粘って3着に踏ん張った。外枠を引いたことで道中砂を被らずに行けたのと、ペースが遅かったことが良かったのだろう。スムーズな競馬で力は出し切った感。1週前調教で馬が戦闘モードに入っていた点は見逃せない。根岸Sの大敗は馬にとってもショックだったのだろう。今後も現役を続けるようなので、調教の動きと気配、外枠を条件に狙っていきたい。

ミツアキタービンは2番手からしぶとく粘って4着。スローペースの展開が見方した感もあるが、前走より落ち着きがあったし、左回りの方がスムーズに走れる馬。決め手の差で負けはしたが、現時点での力は出し切った印象。馬体は良化の余地が多分にあるので、これからもっと強くなる。今年は交流重賞は勝てるだろう。長く活躍しそうなタイプ。

ブルーコンコルドは後方2番手を進み、大外からメンバー最速の35.4秒で追い込んできたが5着が精一杯。好スタートを切ったが、後方に控える作戦。このペースでは結果的にもう少し前につけていた方が良かったか。ただラスト1Fを切ったあたりから伸びが止まったようにベストは1400mなのかもしれない。体型的にも距離は短い方が合いそう。

タイムパラドックスは中団から早めに進出して直線で先頭に並びかけたが、最後は一杯になって6着。脚捌きが少し硬いのはいつものこと。デキ自体はかなり良かったが、終始大外を回るロスのある競馬で勝てるほど甘くはなかった。ただ以前より馬体に実が入り、本格化しているのは事実。メンバーが少し落ちれば激走するので要注意。渋った馬場だと切れるタイプ。

ユートピアはスタート後はハナを切ったが、外からハタノアドニスとミツアキタービンを来ると控えて3番手。直線では最内を突いたが、ハタノアドニスを交わすのに苦労して8着止まり。道中は地方馬2頭に挟まれて身動きが取れない状態でもろに砂を被っていた。最も持ち味が生かせないスローペース。さらに直線で狭い内を突いたのが痛かった。ハタノアドニスの内田博騎手が簡単に内から抜かせる訳がない。結果論だが、自分のペースで逃げた方が良かったのかもしれない。ただマイナス10キロで腹が少し巻き上がっていた点は見逃せない。調教の動きは絶好だっただけにどうしたのだろう。このあたりが直線で少しもたついた理由なのかもしれない。今後は芝マイル路線を進む予定。


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