阪急杯
レース回顧

サニングデールは最内の中団を進み、直線で外に出して追い出すと最後はシーイズトウショウをきっちり差し切ってレースを制した。ラスト3Fはメンバー最速の33.9秒。内々を回ってきたこともあるが、稍重の馬場でこの切れ味は特質もの。元々渋った馬場は得意だが、それにしても切れた。ガーネットSあたりから徐々に復調気配を感じさせたが、ようやく重賞制覇で復活した。調教で一本調子になると良くないが、今は折り合いがつく。次走は高松宮記念になるが、今のデキを維持できればチャンスだろう。昨年は大外の18番枠だったが、今年は好枠を引きたいところ。

シーイズトウショウは3番手から直線で抜け出したが、最後にサニングデールに差されて惜しい2着。CBC賞を勝ったときが54キロで、今回は56キロ。馬場が渋っていることで、より影響があるかと思われたが、全く問題にしなかった。かなり使われているので上積みはないが、昨秋の復帰後はレースの条件によらず5着以内に入る堅実ぶり。高松宮記念では1キロ減になる。今の充実ぶりなら大きく崩れることはなさそうだ。

テンシノキセキは3番手から直線でしぶとく伸びて3着。スッと好位につけられるスピードがあるし、やはりスプリント能力は相当なものがある。今回は横山典騎手が本番を意識した感じの競馬をしたので、3着に負けたことは全く問題ない。昨年はセントウルSで目一杯に走ってビリーヴを負かしたが、スプリターズSは5着に敗れた。6歳牝馬で馬体の成長は見られないが、高いレベルで安定している。高松宮記念はテレビ愛知オープンで1分6秒9のレコードで勝ったコース。CBC賞は4着に敗れたが、パンパンの良馬場なら好勝負だろう。

アタゴタイショウはギャラントアローのハナを叩く勢いでスタートして道中は2番手。4コーナーで持ったままギャラントアローに並びかけて直線で沈めたが、最後は4着に敗れた。渋った馬場は得意だが、前半の行きっぷりは只者ではなかった。休み明けでこの行きっぷり。アンカツがテン乗りでなかったら、もっと際どかったかもしれない。馬体をスッキリ見せているのもいいし、前々走の福島民友Cでは高速決着でシーイズトウショウを負かしている。高松宮記念で内枠を引いて、しかもアンカツだと昨年の再現があるかもしれない。要注意。

キーンランドスワンは5番手を進んだが、直線で最後のひと伸びがなく5着。位置取りは良かったが、シルクロードSのような切れる脚は使えなかった。中山の白秋Sでデュランダルと際どい勝負をしたように直線の坂はこなせなくはないが、得意の京都コースほど切れないといった感じか。ただ馬場が渋っていたし、トップと0.3秒差なら悲観する内容ではない。高松宮記念では展開次第で突っ込みがあるかもしれない。

ギャラントアローは前半33.8秒で逃げたが、直線では見せ場なく8着に敗れた。アタゴタイショウをハナを叩くために前半から手綱をしごいて上がって行ったのが最後に堪えた印象。外枠のロスもあったが、アタゴタイショウが4着に粘っていることを考えるとやや物足りない内容だった。阪神は京都より合わないということもあるが、芝の丈が短く、スピードが出やすい設定のときは駄目なタイプ。昨秋の京都は芝丈が長めに設定されていた。1200mがベストの馬ではないので、スピードが出やすい馬場だと苦しい。高松宮記念では馬場と枠順が大きなポイントになりそうだ。相馬眼的にG1を勝つレベルまで来ていることを付け加えておく。


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