フィリーズレビュー
レース回顧

ムーヴオブサンデーは3番手を進み、直線に向くと一気に後続を突き放してレースを制した。前半少し行きたがったが、途中からは折り合っていた。今回は初コース、初距離、初重賞など条件は楽ではなかったが、それでこの楽勝だから能力は相当なもの。馬体のバランスはいいし、何より良質のバネがあるのがこの馬のいいところ。マルターズヒートを負かさなければ本番では通用しないと考えていたが、きっちりと結果を出した。本番は距離が1F長くなり、さらにメンバーが強化されるが、前に行ける脚質は大きな強み。相馬眼的には短いところに適性がありそうだが、マイルならこなせるだろう。本番が楽しみ。

マルターズヒートは出遅れて後方から追い上げて0.2秒差の2着。上がり3Fはメンバー最速の33.9秒と切れたが、位置取りが悪過ぎた感。いつものように前に行く競馬ができればもっと際どかっただろう。阪神JFより出遅れはまともだったが、この馬の本質を考えると追い込んで2着したことは収穫と言えるのかどうかは微妙。武豊騎手でなかったら、断然人気だっただけに批判の対象か。馬は競馬が分かっているので、本番でも大崩れはなさそう。ただ連対するにはもうワンパンチ欲しい。

フィーユドゥレーヴは後方から追い込んで3着に突っ込んだ。乗り込みは不足気味だったが、大外を回るロスのある競馬で力のあるところを見せた。あまり馬体は変わった感じはしないが、阪神JFで惨敗から巻き返してきたことはそれなりに評価したい。馬体的に距離はこれくらいのところに適性があるような気もする。本番ではひと叩きされた上積みが当然見込めそう。

ホシノピアスは好位から直線で抜け出してきたが4着まで。この馬なりにしぶとく伸びてきたが、相手が強過ぎた感。重賞のメンバーだともう少し切れる脚がないと苦しいかもしれない。走法的に東京コースが合うので、スイートピーSあたりに出てくればメンバー次第で面白い存在。

グローリーブラッドは後方から追い込んで5着。マイナス14キロで馬体がガレ気味だったが、直線ではなかなかの伸び脚を見せた。栗東に入厩して調整していたが、大幅減だったのは陣営も誤算だろう。能力的にもう少し走れる馬。

ロイヤルセランガーは後方から差してきたが6着止まり。伸びてはいるが、直線ではいつもの勢いがなかった。本番に向けてまだ仕上げていないといっても物足りない内容。ファンタージSのように内枠を引いて内を突く競馬ができないと厳しいかもしれない。

エインシンヘーベは好位を進んだが直線で伸び切れずに8着に敗れた。直線でホシノピアスに先に入られてフラフラされたため、ブレーキをかけたのが痛かった。ただまともでも3着があったかどうか。馬体はいいので、どこかで穴をあけそう。流れが速くなる1200mの方が持ち味を生かせるかもしれない。

コンコルディアは中団を進んだが、直線で前が開かずに13着に敗れた。完全に脚を余した感じだが、行きっぷりがそれほどでもなかったように調子の面で問題があったのかもしれない。パドックでは腹回りが少し細く見え、仕上がり過ぎている印象を受けた。馬体的には距離は短い方に適性がありそう。陣営の狙いはこのレースだったか。


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