スプリングS
レース回顧
ブラックタイドは最後方から大外を捲くって進出すると最後は外から来たキョウワスプレンダの追撃を完封してレースを制した。稍重の馬場で11秒台のラップが続く展開が嵌った感じもあるが、大外を捲くってのものだけに評価できる内容。ただ外が伸びる馬場状態が見方した感もある。中山で追い込みを決めるにはこうすればいいというお手本のような騎乗をした横山典騎手も光った。キョウワスプレンダが来てからひと伸びしたように外から来られるとやる気を出すようだ。馬体はまだ芯が入り切っていないが、徐々に良くなっていることは確かだし、その状態でこれだけ走れるのだから末恐ろしい馬。相馬眼的にこの馬が真価を発揮するのはもっと長い距離のような気がしている。皐月賞では今回のような競馬では通用しにくいので、ひと工夫必要。
キョウワスプレンダは後方2番手から捲くって一旦はブラックタイドを交わしかけたが、最後は前に出られて惜しい2着。この馬も展開が嵌った感じもあるが、長くいい脚を使えたという点は評価できる。ブラックタイドと馬体を併せて追い比べになったのも良かったのだろう。馬体のスケールは小さいが、ストライドが大きさでカバーしている。荒れ馬場を苦にしそうだが、稍重の馬場をこなしたのは今後に向けて大きい。毎回力を出し切るタイプだが、今回も目一杯走ったので、皐月賞では状態面に注意を払いたい。キョウワスプレンダがこれだけやれるならアドマイヤビッグは名前通り相当な大物。
ダイワメジャーは2番手からしぶとく粘って3着に踏ん張った。最内と外が伸びる特殊馬場で内を通れたのが良かったが、それにしてもしぶとかった。直線で斜行してマイネルゼストの進路を妨害したのはいただけないが、能力のあるところを見せた。あれだけ斜行して降着にならないのは珍しい。菊沢徳騎手には過怠金5万円が課せられている。前走はパドックでイレ込みがひどかったが、今回はまともだった。まだ荒削りで何をやらかすか分からないところはあるが、きっちり矯正されれば楽しみはある。
アポインテッドデイは3番手から最内を突いてしぶとく伸びたが4着。ロスなく乗って理想的な競馬ができたが、最後はダイワメジャーにも先着を許した。直線では馬場のいいところを通れたし、渋った馬場を苦にしたようには見えなかったので、もうワンパンチ足りないということなのだろう。1800mもこなせるが、現時点ではスピードを生かせるもう少し短い距離の方が合うかもしれない。
コスモサンビームは向こう正面でかかったミスティックエイジと一緒に上がって行き、直線では伸びを欠いて5着に敗れた。ミスティックエイジが11着に敗れたことを考えると5着ならよく踏ん張ったと言える。最後の直線で馬場の悪いところを通ったことも多少影響したのだろう。馬体は成長が感じられたし、ひと叩きされればさらに良くなってきそうな気配があった。この一戦だけではまだ見限れない。
コンドルクエストは後方から捲くって行ったが、最後は伸びを欠き6着に敗れた。骨折明けということを考えれば上々の内容。道中上がって行くときの雰囲気は目立っていたし、このひと叩きで次は変わりそう。ただ休養前より馬体のボリューム感が薄れているのが少し気になる。
ミスティックエイジは向こう正面で突然かかって上がって行くと直線では全く伸びずに11着に敗れた。池添騎手のコメントでは2コーナーでぶつけられる不利があったようだ。パドックでは仕上がりの良さが目立っていただけに何とも勿体ないレースだった。本来は好位から切れる脚を使って直線で抜け出すタイプ。今回は自分の競馬を全くしていないので、大敗したからといっても割り引けない。前脚を伸ばす走法なので、中山の急坂をこなせるかどうかが鍵になりそう。
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