天皇賞(春)
レース展望

最強ステイヤー決定戦。昨年の菊花賞1〜4着馬vs上がり馬といった図式。G1馬は2冠馬ネオユニヴァースと菊花賞馬ザッツザプレンティの2頭。5歳以上にG1馬がいないのが寂しいが、まずまずのメンバーが揃った印象。世間では菊花賞1〜4着馬を4強、これに5連勝中のシルクフェイマスを加えて5強とも言われている。ただし昨年はジャパンCでザッツザプレンティがタップダンスシチーに9馬身差、有馬記念ではリンカーンがシンボリクリスエスに9馬身差をつけられただけに現4歳世代の強さには少し疑問が残る。ただこのメンバーでは実績的に上位なのは明らか。レベルの高い戦いで王者と言われるような馬の出現を期待したい。

1番人気は阪神大賞典を勝ったリンカーン。阪神大賞典はザッツザプレンティを並ぶ間もなく差し切る楽勝劇。56キロが有利だったが、2キロ差だけで片付けられる勝ちっぷりではなかった。スローの上がり勝負なら58キロでも負けなかっただろう。菊花賞2着馬で血統的にも距離はこなせる。鞍上の武豊騎手は天皇賞(春)に13回騎乗して[5-4-3-1]で3着以内を外したのは11番人気だったカミノマジックのみ。1番人気だと[3-1-1-0]で連対率80%。京都芝3200mはまさに庭。今年5回目の土日重賞制覇か。

ザッツザプレンティは天皇賞(春)と相性のいい菊花賞馬。阪神大賞典はスローの上がり勝負でリンカーンに負けたが、相手の土俵での話。菊花賞のようにロングスパートしてスタミナ勝負に持ち込めば当然チャンスはある。平均ペースで長くいい脚を使うのが持ち味で菊花賞では3冠を目指したネオユニヴァースを自分の土俵に上げてまんまと粘り切った。阪神大賞典のゴール過ぎで笑ってしまったアンカツが今度は本気で勝負にくる。雨で切れ味が削がれる馬場になると好走する確率は増す。

ネオユニヴァースは復帰戦の大阪杯でマグナーテンに頭差の辛勝。休み明けで59キロだっただけに息の長い末脚を繰り出して勝ったことを評価すべきか。実際、馬体には余裕があったし、昨秋からの成長も感じさせた。菊花賞はゴール前でバテて3着に敗れたことで、3000mを超える距離の適性に疑問があるというのが一般的な見解。あとは血統的に父サンデーサイレンス、母の父Krisで、同じ血統構成で最近不振のチューニーを持ち出す人もいる。菊花賞で3着に敗れたが、果たして見直せることはないのだろうか。鞍上はネオユニヴァースと信頼関係が築けているデムーロ騎手。

ゼンノロブロイは復帰戦の日経賞で単勝1.1倍の断然人気だったがまさかの2着。3コーナーで外から被せられて位置取りが悪くなり、4コーナーで外に出して差してきたが、最後はウインジェネラーレに競り負けた。柴田善騎手は次週のダービー卿CTでも断然人気のウインラディウスで敗れ、藤沢和厩舎の馬で重賞18連敗。今回はオリヴァー騎手に乗り替わる。神戸新聞杯の直線で弾けただけに距離3200mがベストとは思わないが、不利があった菊花賞で4着なら圏内だろう。藤沢和厩舎は天皇賞(春)に初挑戦になる。

シルクフェイマスは日経新春杯、京都記念を連勝し、現在5連勝中。日経新春杯はメンバーが弱かったとはいえ、直線で後続を一気に突き放すインパクトのあるレースぶりだった。インパクトのあるレースをした馬はG1で通用するという持論があるが、今回は初のG1挑戦でしかも距離3200m。父マーベラスサンデーは6連勝で臨んだ天皇賞(秋)は4着だった。3走前の比叡Sで上がり3F33.5秒で直線弾けたようにスローの上がり勝負にも対応できる。京都外回りは[3-0-0-1]の得意コース。5歳馬の意地を見せるか。

人気になる5頭について一般的な見解を中心に述べた。ここからが本題。これまでのレースと相馬眼的な評価から各馬の裏側に隠された本質を暴きたい。

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