NHKマイルC
レース展望(1)

3歳マイル王決定戦。以前はクラシックに出走できない外国産馬の活躍が目立ったが、一昨年初めて内国産馬が優勝し、昨年は内国産馬のワンツーと様相が変わってきた。外国産馬へのクラシック開放、バブリーな時代が終わったことが主な要因だろう。昨年は人気の盲点になったマイル重賞勝ち馬2頭で決着し馬連万馬券。3連複は900倍を超える大波乱だった。今年は短距離路線組に朝日杯FSで好走歴のある皐月賞組と毎日杯勝ち馬が加わり、例年以上にメンバーが揃った印象。天皇賞(春)は有力各馬が消極的で後味の悪いレースになったが、今回は3歳マイル王決定戦に相応しいレースを期待したい。

短距離路線組で注目はタイキバカラ。これまで1400mまでの経験しかないが、能力はG1級。クリスタルCは前半3F33.1秒で逃げ切り勝ち。厳しい展開だったが、直線ではまだ余裕があった。クリスタルCでは逃げたが、折り合いを欠いたのではなく、スピードの違いでハナを切ったもの。新馬勝ちした東京芝1400mでは後方から馬群を割ってメンバー最速の34.1秒で差し切っている。2戦目は途中からハナを切ってダート走るカフェオリンポスを子供扱い。能力がないとできない芸当だろう。1400mまでの経験しかなくデータ的には苦しいが、東京での走りを見る限りこなせる下地はありそうだ。相馬眼的にも高評価できる馬であることを付け加えておく。

シーキングザダイヤは重賞2連勝を含め4連勝。直線で並んだら抜かせない勝負根性があるし、前走のニュージーランドTで差す競馬をして結果を出したことも評価できる。マイル重賞で2勝を挙げているので、タフな東京マイルもこなせそうだが、相馬眼的に距離は1400mあたりに適性があるような気もする。陣営が負けても海外遠征に行くと妙に強調しているのは、このあたりのことを考慮しているか。あとはこれまで戦ってきたメンバーがいかにも軽いのが少し気になるところ。母は重賞4連勝でNHKマイルCを制したシーキングザパール。母が制した舞台で血が騒ぐか。

その他では東京マイル勝ちがあるムーンシャイン、山藤賞がニュージーランドTと同タイムだったハートランドカフェに注目したい。ムーンシャインはニュージーランドTで7着に敗れたが、舌が喉に詰まって苦しくなったもの。2走前に東京マイルを勝ったときの直線での弾け方は見どころがあった。ニュージーランドTで負けた馬が巻き返すケースが多いので注意したい。ハートランドカフェは山藤賞で逃げて2馬身差の楽勝。タイムもいいが、バネの利いた走法が魅力。東京芝コースでは馬場状態によって、こういう走法の馬が好走するときがあるので要注意。土曜の競馬でよくチェックしたい。まずは2頭とも抽選に通ることが大前提。

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