NHKマイルC
レース展望(2)

皐月賞組はメイショウボーラー、コスモサンビーム、アポインテッドデイの3頭。メイショウボーラーは弥生賞2着、皐月賞3着に好走したが、距離短縮は望むところ。東京マイルは紛れがなく能力が反映されやすいコースで、2000m級のレースで好走歴のある馬が活躍することが多い。ただし、ここ2戦のメイショウボーラーの逃げはスローペース。そこをどう考えるかだろう。朝日杯FSは強い内容で2着したが、中山と東京はコース形態が全く違う。さらに皐月賞前に一頓挫あったので、G1を使って中2週で調子がどうなのか、そこが少し気になるところ。ただし、現時点での完成度と底力は相当なものがあるので、あっさり勝たれても不思議でない。

コスモサンビームはスプリングS5着、皐月賞4着に敗れ、マイル路線に変えてきた。2歳王者としてこの距離では負けられないところだろう。京王杯2歳Sで1分21秒8のレコード勝ちがあり、東京コースの実績があるのは大きな強み。ただしこのときは仮柵を外してAコースに変更されたばかりで芝の状態が良かった点も見逃せない。馬体的にストライドが小さいので、芝の状態が良くないとスピードの乗りが悪くなる。東京は今週もAコース。馬場状態に注意を払いたい。朝日杯FSでは脚の回転数でスピードを上げて差し切ったが、東京コースではそれは通用しない。ただしこの馬もメイショウボーラー同様、現時点での完成度が高く底力があるので、無様な競馬はしないだろう。

アポインテッドデイは皐月賞は10着に敗れたが、2000mは合わないので度外視できる。東京芝コースは[1-3-0-0]で連対率100%。京王杯2歳Sは2着だったが、ゴールした後にコスモサンビームに詰め寄ったのが印象的。走法的にも東京向きで手前の替え方も上手い。スプリングSではほぼ同位置で競馬をしたダイワメジャーとクビ差の4着で上がり3Fでは0.1秒上回った。レースは追い込み馬のワンツー決着になったが、ペースを考えると中身は濃かった。G1ではワンパンチ足りない気がするが、最内をロスなく進んだり、雨で馬場が渋って差しが決まりにくいと持ち前のしぶとさで粘り込む可能性がある。最終調教で覇気のある姿を見せるようなら注目したい。

キングカメハメハは出遅れて外々を回った京成杯以外は全て1着。徐々に競馬ぶりが安定し、確実に力をつけてきた印象。毎日杯ではシェルゲームが休み明けだったとはいえを直線では全く相手にしなかったのも強調材料。すみれS、毎日杯で見せた末脚はインパクトがあったし、馬体の充実ぶりも見逃せない。大きなフットワークでしかも手前の替え方が上手いので東京コースの適性はかなり高そうだ。問題になるとすれば距離だが、広い東京コースならこなせなくはないだろう。速いペースで前が止まるような展開が理想か。タイキバカラが強い競馬をすると最後に突っ込んできそうな気がする。

今週は栗東で厩舎レクリエーションがあるため変則調教。コスモサンビームは既に月曜に追い切っている。なぜG1開催週にやるのかは分からないが、少なからず変則調教の影響はあるように思えるので、関西馬の仕上がり具合には注意を払いたい。NHKマイルCでは過去8年で関東10連対、関西6連対で関東馬が優勢。今年は桜花賞、皐月賞、天皇賞(春)と関東馬が3連勝。勢いのある関東馬に乗ってみるのもひとつの手か。また現時点で日曜の天気はやや微妙。雨が降って馬場が渋ると全く違うレースになりそうなので、当日まで粘り強い予想を展開したい。

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