競馬アナリストGM
ダービー
レース展望
第71回日本ダービー。NHKマイルCを楽勝したキングカメハメハ、皐月賞で負けて強しのコスモバルク、青葉賞を好時計勝ちをしたハイアーゲームが人気を集めそうだ。今年の中山と東京は時計が速く、各ステップは高速決着になった。時計的にレベルが高そうに見えるが、今年のレベルはどうなのだろう。前が残る展開だったとはいえ、皐月賞を勝ったのは1勝馬だった。ただしNHKマイルCで次元の違うレースをしたキングカメハメハは別格。相馬眼的な裏づけがあるだけに能力は確かだろう。コスモバルクにも当てはまるが、ハードトレーニングは故障のリスクが伴うが、それに耐えた馬は強くなる。真の王者は一体どの馬なのか。王者と言うのに相応しい見応えのあるレースをを期待したい。
キングカメハメハはすみれS、毎日杯、NHKマイルCを楽勝。すみれSと毎日杯ではラスト2F目に推定10秒台の切れ味で後続を突き放している。すみれSは超スローとはいえ重馬場。稍重で行われたNHKマイルCの直線でも弾けたように渋った馬場を苦にしない。今回も雨が降るようならチャンスは広がる。距離延長は問題なく、走法も東京向き。問題があるとすれば、NHKマイルCから中2週の影響だが、3戦連続激しいレースをしたタニノギムレットよりは楽。このステップを熟知している松田国厩舎だけにサジ加減は心得ているだろう。鞍上のアンカツは95年のライデンリーダーを除き、G1で1番人気に支持されると[2-4-0-0]で連対率100%。手綱捌きに注目したい。
コスモバルクは皐月賞でメンバー最速の33.8秒で差したが2着に敗れた。ラスト2F目は推定10秒台。ダイワメジャーを捕まえられなかったが強い内容だった。86年以降、皐月賞で18番枠から3着以内に入ったのはトウカイテイオー、ビワハヤヒデ、サニーブライアン、スペシャルウィークの4頭。ダービーでは[3-1-0-0]で連対率100%。陣営はあやかりたいデータだろう。バランスの悪い走法だが、父ザブレブが色濃く出た印象で、この馬に関してはこれでいい。脚質的に各馬のマークに合いそうなので、スパートのタイミングが鍵を握りそうだ。弥生賞、皐月賞に続き、今年3回目の長距離輸送。時期的に気温が高いし、湿度も違うのでストレスはそれなりにあるのだろう。そこをクリアできれば好勝負できそうだ。
ハイアーゲームは青葉賞を2分24秒1で優勝。ダービーレコードを上回ったが、1週前の500万条件で2分25秒1。時計の価値はそれほど高くないが、直線での弾け方は凄かった。東京コースは[3-1-0-0]で連対率100%。唯一負けたのは百日草特別のコスモバルク。スタートで後手を踏んだのと当時コスモバルクが9番人気でマークしていなかったこともある。ただしこれまでコスモバルクには3戦3敗で一戦ごとに差を広げられている。完成度の高いコスモバルクに対し、この時期に急成長するサンデー産駒。後肢の踏み込みに力強さが加われば逆転も十分考えられる。これまでのレースぶりから時計の出やすいパンパンの良馬場が理想。馬場状態がひとつのポイントになりそうだ。
あとは皐月賞馬ダイワメジャー、きさらぎ賞の勝ち馬マイネルブルック、骨折明けをひと叩きされたアドマイヤビッグ、京都新聞杯の勝ち馬ハーツクライなど、魅力のある馬が多い。ダイワメジャーは皐月賞を強い内容で勝ち能力を証明。気性的に何を仕出かすか分からないところもあるが、東京競馬場をスクリーニングした効果がどこまであるか。今回もデムーロ騎手とのコンビというのは魅力。マイネルブルックはいい脚を長く使えるので、差し脚が生きる流れになれば楽しみはある。走法も東京向きなので、あとは力が通用するかどうかだろう。
アドマイヤビッグは骨折明けの青葉賞は直線で止まったとはいえ、見せ場たっぷりの5着。ひと叩されてどこまで復調したかが鍵。相馬眼的にこのメンバーに入っても全く見劣らない。橋田厩舎と武豊騎手のコンビは皐月賞で大幅に馬体が減ったアドマイヤベガを立て直してダービーを制覇している。今回は少し突貫工事という感じがするが、当日のパドックが楽しみ。ハーツクライは先週のオークスで2着したスイープトウショウに近いガニ股走法。終いの切れ味でどこまで突っ込んで来れるか。横山典騎手が大胆に乗ってきそうだ。皐月賞に続き展開の鍵を握るのはマイネルマクロス。マイネル・コスモ軍団の作戦を見破りたい。
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