ラジオたんぱ賞
レース展望

これまではダービーで敗れた馬が巻き返すことが多かったが、今年は昨年に続きダービー組の出走はない。ダービー出走馬が人気になって敗れるのが波乱要因のひとつで、中でも藤沢和厩舎が波乱を演出していたが、今年は参戦がない。過去10年で1番人気は2連対。馬連10倍以下は1回のみで最近4年は132倍、152倍、62倍、48倍と大荒れ。今年も実力の接近したメンバーが揃いやや混戦模様。どんな配当が飛び出すのか楽しみだ。秋に向けて目処を立てるような馬の出現を期待したい。

ケイアイガードは1000万条件の白百合Sを3馬身半差で快勝。好位から直線で後続を突き放す強い内容だった。2走前のプリンスパルSはトップと0.3秒差の4着に敗れたが、終いの伸び脚は目立っていた。テン乗りの後藤騎手が大事に乗り過ぎた感じでもう少し積極的に乗れば際どかっただろう。ためれば切れるし、好位につけて強引な競馬もできるタイプ。馬体が充実して底力がついてきたのだろう。ミキオスペシャルが出なければ好勝負できそうだ。ちなみに松永幹騎手は98年の吾妻小富士オープン(アンブラスモアに騎乗して1着)以来の福島芝1800m。

ハットトリックは牡丹賞で後方からメンバー最速の32.9秒の切れ味で差し切り勝ち。2、3着に逃げた馬と2番手を進んだ馬が粘ったように前残りの展開だったが、次元の違う末脚を見せた。これまで東京コースしか経験しておらず、小回りの福島コースが課題だが、差しが決まる展開ならそれも問題なしか。素質の高い馬であっさり差し切り勝ちもありそうだが、早いペースで終いの伸びを欠くシーンも考えられなくはない。人気になるので取捨が大きなポイントになりそうだ。

カンパニーはこれまで4戦3勝。ベンジャミンSは中団から上がり34.1秒で差し切る好内容だった。どちらかというとスローの上がり勝負に強いタイプで昨年のように上がり4F勝負になると浮上しそう。約2ヶ月半間隔が空いたので仕上がりも鍵になる。コンドルクエストは骨折から復帰後、6、8、6着と結果が出ていないが、調子が戻り切っていなかったり、出遅れて流れに乗れなかったり、色々と敗因はあった。福島コースはきんもくせい特別でレコード勝ちがあり、馬体的にも平坦コースが合うタイプ。蛯名騎手で出遅れが怖いが、流れに乗れればそう見劣りしないだろう。

あとはNHKマイルC8着のムーンシャイン、前走最後方から直線一気を決めたナイキアロー、オープンの若草Sを勝ったマイネルベナード、逃げるとしぶといフウランジョー、初芝の前走で一変したシルクディレクターなど、それぞれ違った魅力を持った馬が多い。前走福島芝2000mを勝ったアイアイサクラにも少し注目したい。牝馬限定戦でいかにもメンバーは軽く、牡馬相手のG3でどこまでやれるか分からないが、相馬眼的にはこのメンバーに入っても見劣らない。息の長い末脚があるので、中舘騎手が一発を狙った乗り方をしてくると面白そうだ。暑い時期だけに基本的に調子のいい馬を狙いたい。

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