北九州記念
レース展望

夏の小倉の名物重賞。95年にハンデ戦になったが、00年に別定戦に変更された。別定後4年は1番人気が[2-2-0-0]で連対率100%でそれほど荒れなくなった。今年は3冠牝馬スティルインラブをはじめ、ユートピア、ダンツジャッジ、オースミコモスモなど、かなりの好メンバーが揃った印象。先週の七夕賞ほどではないが、人気はそれなりに割れるのだろう。武豊、アンカツ、蛯名騎手が遠征するし、小倉は開幕週から一気にヒートアップしそうだ。

メイショウカイドウは小倉で4勝を挙げている小倉巧者。昨夏は今回と同じ芝1800mで500万、1000万、1600万条件を3連勝。輸送するとイレ込むので、滞在できる小倉が合うのだろう。前走でオープン入りして初の重賞挑戦。別定で楽ではないが、小倉の適性と今の充実ぶりから通用する下地はあるとみたい。昨夏に相馬眼ニュースで取り上げたように馬体の裏づけは十分。陣営が武豊騎手を配してきたことからも期待の大きさが窺える。

ユートピアは安田記念で0.3秒差の4着に好走。渋った馬場が有利に働いた感もあるが、ブリンカーをつけたことで馬が走りに集中していたことも確かだろう。これまでは最終調教で一杯に追っていたが、余力残しにしたことも良かったように思える。パドックでは馬体、気配がいつもより目立っていた。どうすれば走るのかを見出せた陣営は今回も同じパターンで来るはず。左回り巧者だが、毎日杯2着、京都金杯3着があるように右回りもこなす。平坦小回りの小倉ならアンカツが地力勝負に持ち込んで粘らせる可能性は十分。

スティルインラブは金鯱賞、宝塚記念とも8着に敗れた。ただし、金鯱賞は休み明けでイレ込んでいたし、宝塚記念はひと叩きされて落ち着いていたものの、パドックでは昨年のような凄みはなかった。ここ2戦、牡馬に通用しなかったのは事実だが、調子を上げてくれば巻き返す余地はあるとみたい。ただし今回は斤量が牡馬より重い58キロ。牝馬の58キロは牡馬の60キロに相当する。斤量の克服が最大のポイントになる。小倉は初めてだが、器用な脚があるのでコースは問題ないだろう。

ダンツジャッジは連闘で臨んだエプソムCで2着。G3なら地力の高さは明らかで崩れなくなった。使われながら調子を上げるタイプで今回は叩き3戦目。芝1800mは[1-4-0-0]で連対率100%だし、今回も相当やれそうだ。最近は勝負どころで少しズブいので、開幕週の小倉だけにそこが少し気になる。オースミコスモは中山牝馬Sと福島牝馬Sを連勝した。昨夏に関屋記念を勝ったように夏場走るタイプ。小倉大賞典で2着したようにコースもこなす。牡馬相手の56キロは楽ではないが、夏に強い牝馬だけに侮れない。

あとは長期休み明けを3回使われたダイタクバートラム、小倉大賞典を5馬身差で楽勝したメイショウバトラー、小倉開幕週に2年連続連対中のサンライズシャーク、小倉で2勝を挙げているシンデレラボーイなど伏兵も多い。かなり暑い日が続いているので、調子を落としている馬がいないか、最終調教でよくチェックしたい。特に夏は状態面の見極めが大きなポイントになる。あとは出走頭数は少ないが、開幕週の馬場で仕掛けのタイミングやコース取りなど騎手の腕が問われそう。その点も加味した上で最終決断を下したい。

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