ｴﾙﾑS
ﾚｰｽ回顧
ﾊﾟｰｿﾅﾙﾗｯｼｭは3番手を進み､3ｺｰﾅｰ過ぎに外から上がってﾌﾞﾗｯｸﾊﾟﾜｰに並びかけると直線で後続を一気に突き放してﾚｰｽを制した｡相馬眼的に評価できる馬でﾕﾆｺｰﾝSで重い印を打ったが､ようやく素質開花｡53ｷﾛ､藤田騎手の好騎乗もあったが､能力がなければこの時計(昨年のｱﾄﾞﾏｲﾔﾄﾞﾝより0.6秒早い)で走れないだろう｡春はまじめに走らないことが多かったが､今回からつけたﾁｰｸﾋﾟｰｼｽﾞの効果は大きかったようだ｡休み明けで乗り込み不足が懸念されたが､ﾊﾟﾄﾞｯｸでは馬体､気配とも目立っていた｡今回の勝利で賞金を上乗せできたので､次走は盛岡のﾀﾞｰﾋﾞｰｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘに向かう｡まずはｶﾌｪｵﾘﾝﾎﾟｽを倒さないといけない｡これから成長してどこまでｱﾄﾞﾏｲﾔﾄﾞﾝに近づけるか｡楽しみは大きい｡
ｳｲﾝﾃﾞｭｴﾙは好位を進んだが､3ｺｰﾅｰ過ぎに手応えが悪くなり後退｡直線では外に出して追い上げてきたが､1馬身1/4届かず2着に敗れた｡ここ2戦は道中12秒台後半のﾗｯﾌﾟが2回あったが､今回は全く緩みのない流れ｡手応えが悪くなったのはそのあたりが影響しているのだろう｡ただし並の馬なら惨敗するところを直線では差して2着まで追い上げた｡やはり能力はある｡ﾊﾟﾄﾞｯｸでは前走のﾃﾞｷをｷｰﾌﾟといった印象｡これでひと息入れるようだ｡もっと馬体に芯が入ってきて欲しいが､この一族にそれを望むのは酷か｡ただ馬にとって今回の敗戦は糧になるはず｡今後も注目していきたい馬であることは変わらない｡
ﾀｲﾑﾊﾟﾗﾄﾞｯｸｽは後方から外を回って追い上げたが､3着を確保するのが精一杯｡外枠と最近長い距離を使ってきたことが影響して位置取りが後ろになったのだろう｡もっと強引な競馬もできるが､58ｷﾛを背負っていただけにｱﾝｶﾂが無理をしなかった印象｡広いｺｰｽで同斤量ならもっとやれる｡馬体に芯が入り底力が充填されてきているので､今後も大崩れすることはないだろう｡
ﾏﾙﾌﾞﾂﾄｯﾌﾟは中団から徐々に進出し､直線でしぶとく伸びて4着｡いつもより位置取りが後ろになったが､条件戦とは流れが違うので仕方ないところ｡別定の56ｷﾛを背負って持ち時計を1.1秒詰めたようにこの馬としては力を出し切った感｡ﾊﾟﾄﾞｯｸでは馬体､気配も目立ったし､今かなり調子がいいようだ｡今回ｽﾄﾚｽのかかるﾚｰｽをしたので次走は体調面に注意したいが､自己条件の1600万なら勝ち負けだろう｡
ｶｲﾄﾋﾙｳｲﾝﾄﾞは好位からしぶと伸びて5着｡この馬の持ち味であるしぶとを直線で見せていた｡休み明けでこれだけやれればｵｰﾌﾟﾝの目処は立ったとみたい｡左回りの方が走るので､東京ｺｰｽで注目｡
ﾄｯﾌﾟｵﾌﾞﾜｰﾙﾄﾞは5番手を進んだが､4ｺｰﾅｰで一杯になって8着に敗れた｡今回は休み明けで馬体に余裕があったので､仕方ない結果｡元々左回り巧者で右回りの忙しい競馬は向かないﾀｲﾌﾟ｡次走のﾀﾞｰﾋﾞｰｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘに向けてという見方をすれば悪くない内容｡
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