札幌2歳S
レース展望
札幌開催の2歳王者決定戦。00年はジャングルポケット、02年はサクラプレジデントは勝ち、翌年のクラシックで活躍した。超スローペースで前残りの展開だった昨年は2着のアズマサンダースが桜花賞2着、3着のヤマニンシュクルが阪神JF1着と牝馬G1路線で活躍している。キャリア1戦の馬がこのレースで連対するとその後活躍するので覚えておきたい。97年に1800mに変更されて7回行われたが、1番人気は[2-0-2-3]で2連対のみ。馬連は10倍以下は1回しかなく、万馬券が3回と荒れている。3連単が発売される今年は一体どんな配当が飛び出すのだろう。
人気なるのはコスモス賞を勝ったマイネルアドホック、クローバー賞を勝ったモエレフェニックス、札幌1800mで2、1着のダンツキッチョウの3頭。マイネルアドホックは前走プラス14キロで太めが残っていたが、直線でパーフェクトマッチを外から捻じ伏せた。少し脚捌きが硬いところもあるが、札幌で1回使われたことで上積みが見込めそう。それほど切れる脚はないが、タフなレースに強いタイプで重賞でもやれる。リアルシャダイの肌にホワイトマズルというのは同厩舎が管理するイングランディーレと同じ。後々は長い距離で活躍が目込めそうだ。
モエレフェニックスは前走マイナス12キロでパドックでもイレ込み加減だったが、レースでは逃げてキングストレイルの追撃をハナ差凌ぎ切った。2着馬が大外枠で前半ロスがあったとはいえ、初芝でこれだけ走るのだから能力はある。セレクトセールで6000万円で取り引きされたサンデーサイレンス産駒。ホッカイドウ競馬所属だが、最初から中央参戦を視野に入れている。マイネルの岡田氏への売却が既に決まっているようだ。これ以上馬体が減らずに当日落ち着いていることが条件。1800mはこなせそうだ。
ダンツキッチョウは新馬戦は行きっぷりが悪く藤田騎手が仕掛け通しだったが、2戦目で行きっぷりが一変した。少し頭が高く全身を使えていない印象もあるが、この馬も能力はありそう。この中間はかなり乗り込まれており、さらに仕上がってきそうだ。まだ時計は詰められるだろう。今の札幌で最も信頼できる藤田騎手は魅力。
他にも人気になりそうな馬はいるが、ここでは相馬眼的に注目できるストーミーカフェとオーギュストを取り上げたい。ストーミーカフェは新馬戦ではダンツサマーにち切られたが、2戦目の芝1500m(重馬場)で逃げて1分29秒4のレコードで楽勝した。ひと叩きされてまさに一変といった走り。距離はこなせそうなので、先行争いが激しくなった場合にどう対応するかだろう。小島太厩舎は函館2歳Sをアンブロワーズで制しており、北海道の2歳重賞完全制覇がかかる。
オーギュストは新馬戦(ダ1000m)は出遅れて直線大外から物凄い脚を使った馬。2戦目の札幌芝1500mでは中団から捲くって3馬身差で楽勝した。外々を回って上がり3Fがメンバー最速の35.3秒というのがこの馬の能力を裏付ける。最後は余力十分だったし、まともに追えばレコードだったかもしれない。馬体の作りとレースぶりから能力は確か。前がやり合えばこの馬向きの展開になりそう。鞍上はコスモバルクでセントライト記念を制した五十嵐冬騎手。人気にならないことを祈りたい。
2004/09/29
競馬アナリストGM
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