毎日王冠
レース回顧

テレグノシスは最後方を進み、直線で大外に出して追い込むと最後は逃げたローエングリンをきっちり差し切ってレースを制した。上がり3Fはメンバー最速の33.4秒。スローペースで前が残りやすい展開だったが、それを最後方から差し切るのだから恐れ入る。調教ではいつもより前捌きがスムーズだったし、パドックでもこれまでの秋緒戦とは違う姿。5歳秋を迎えひと皮剥けたようだ。距離はあと1Fくらいならこなせそう。天皇賞(秋)に出走してくれば面白そうだ。マイラーのエアジハードは天皇賞(秋)でスペシャルウィークと0.2秒差の3着だった。天皇賞(秋)でキングカメハメハとの末脚比べを見てみたい。

ローエングリンは2F目で10.8秒とガツンと行ったが、その後はペースを落とし前半5F59.7秒のスローペース。上がり3F34.5秒でまとめたが、テレグノシスの決め手に屈して2着に敗れた。パドックでは前捌きに硬さがあったが、これくらいのペースなら地力で何とかなるといった感じか。春より全体的に細く映ったが、元々こういう体だったので、これくらいでいいのかもしれない。横山典騎手が今年4戦目でようやく折り合いがつき進境はあったが、本人は納得がいかないようだ。逃げ馬は人気になると辛い。演出は既に始まっている。ただ過去1年重賞勝ちがないため、天皇賞(秋)に出走できるかどうかは微妙。

ブルーイレヴンは中団のやや後ろを進み、直線で伸びてきたが3着止まり。直線に向いたときは絶好の手応えだったが、それで伸び切れなかったのは稍重の馬場が微妙に影響したのだろう。飛びが大きいので渋った馬場は良くないタイプ。ただ全体的にパワーアップしているのである程度はこなせる。テレグノシスがあれほど切れたので良馬場でも勝てたかどうかは微妙だが、今回もまじめに走ったように収穫はあった。パドックでは春とは違った馬体でかなりの成長を感じさせた。4歳秋で充実期を迎えている。次走はマイルCS。右回りで人気が落ちれば馬券的に面白そうだ。相馬眼的にG1を勝てる馬ということを付け加えておく。

プリサイスマシーンは内々の好位を進んだが、直線で抜け出せずに4着。スローの上がり勝負にもある程度は対応できるが、内の狭いところに入ったのが痛かった。もう少し流れが速くなって切れる脚より地力が問われた方がいいのだろう。中山記念5着、今回4着とG2でも通用する下地はあるし、芝路線でやっていく目処も立った感。パドックでは落ち着いて周回し、前走より馬体が引き締まり若干良くなっていた。次走は叩き3戦目。さらに良くなりそうだ。

ヴィータローザはいつもより早めの競馬をしたが、直線で伸び切れずに5着。外枠でコースロスもあったが、まだG2では荷が重そう。ただしパドックでは目つきが相変わらずだったが、いつもより煩くなかった。イレ込みは徐々に解消されてきている。G3なら堅実に走りそうだ。

シェルゲームは2番手から伸びを欠き6着。パドックで周回するごとに煩くなったのが影響した感もあるが、東京コースでスローの上がり勝負は体型的に向かないのだろう。馬体はもっと増えて成長しているのかと思っていたが、前走からマイナス4キロで大きな変化はなかった。アグネスデジタルの半弟でこれまでのレースぶりから心肺面は強いのは間違いないので、あとはこの馬にあったレース選択か。精神面の成長も期待したい。

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