デイリー杯2歳S
レース回顧

ペールギュントは最後方から直線一気でレースを制した。直線に向いたときは前とかなり差があったが、大外を回って一頭だけ次元の違う伸び脚で全馬差し切った。ハイペースの展開が向いたとはいえ、能力がないとできない芸当。パドックではプラス10キロで太く映ったが、それでこの切れ味。このメンバーでは能力が違った感。デイリー杯で追い込みを決めた馬はメジロブライト、ボールドエンペラー、ファストタテヤマなど翌年のクラシックで活躍する。まだレースぶりが雑で負けることがありそうだが、人気が落ちても今回の末脚を忘れてはいけない。

ライラプスは内々の3番手からしぶとく伸びて2着。エイシンヴァイデンとの競り合いを制した。キャリア1戦で初重賞挑戦。しかもハイペースで前に行った馬には苦しい典型。それで2着に残るのだからこの馬も能力はある。相馬眼的な裏づけがあるので、今後も活躍できるだろう。次走はファンタジーS。この日の京都2R新馬戦で昨年のスイープトウショウ並の切れ味で楽勝したラインクラフトと争うことになる。

シルクタイガーは後方から最内を突いて伸び3着。10番人気で大穴をあけた。これまで戦ってきたメンバーは弱かったが、最終調教の坂路の動きが一変していた。使われるたびに馬体が増え、新馬当時より22キロ重い466キロ。急激に馬体が変わってきている。今回は展開とコース取りが見方した感もあるが、これだけやれれば今後も楽しみはある。

エイシンヴァイデンは2番手から伸び切れずに4着。単勝2.2倍の断然人気になったが、力差を感じさせる内容。やはりこれまで戦ってきたメンバーが弱かったということなのだろう。前走より坂路で動いていたし、パドックでも仕上がりは良く見えた。それだけに今後は苦しくなるかもしれない。距離の適性はマイルより短いところにありそう。

ショウナンパントルは中団から伸びてきたが5着止まり。上がり3Fはメンバー3位の35.2秒。初輸送をクリアしたし、本番の阪神JFに向けて内容は悪くなかった。重賞ではもうワンパンチ足りない感じなので、今後どこまでパワーアップしてくるか。

アドマイヤムサシハ直線でペールギュントと一緒に伸びてきたが6着が精一杯。攻め馬を強化されて馬体も良くなっていたが、それでこの結果。外枠で外々を回ったことも微妙に影響しているが、現時点では重賞のメンバーでは力差がありそう。

オーヴェールは5番手から伸びを欠き7着。函館2歳Sで追い込んで4着した馬だが、全く見せ場がなかった。馬体的に距離はもっと短いところに適性がありそう。

シックスセンスは道中掛かり気味に前に行って直線で失速し8着。馬体的に能力はありそうだが、カッーとなりやすい気性が影響している。調教であれほど強引に追う必要があるのかも疑問。大事にすればもっと走れる馬。

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