府中牝馬S
レース回顧

オースミハルカは離れた2番手を追走し、直線で逃げたメイショウバトラーとの競り合いをハナ差で制して1着。前半5F59.6秒で道中12秒台が3回続くスローな流れ。展開が見方したのは事実だが、ラスト2Fで11.0秒のラップで逃げ込みを図ったメイショウバトラーを差し切ったのは価値がある。パドックでは少し煩かったが、以前よりは全然マシ。クイーンSのときも良かったが、今回もデキの良さが目立っていた。次走はエリザベス女王杯。昨年は3番手から抜け出し直線で先頭に立ったが9着に敗れた。昨年よりパワーアップした今ならもっとやれるだろう。チューリップ賞でスティルインラブ、クイーンSでファンモーションを負かしたように大物食いのある馬。

メイショウバトラーはスローで逃げて最後までしぶとく粘って2着。大外枠から掛かり気味に行った後にすぐにペースを落とせたのが良かったのだろう。夏の小倉で牡馬相手に好走したように能力のある馬。調教では以前より良く見せなくなったが、パドックでは力強い踏み込みで外めをキビキビと周回している。馬が競馬を分かってきた証拠だろう。昨年よりかなりパワーアップしている。

スティルインラブは5番手からしぶとく伸びてきたが3着が精一杯。上がり3F33.9秒で差してきたが、前が残る展開で届かなかった。マイナス10キロは今回惨敗は許されないと陣営が仕上げてきたもの。それだけに少し物足りなさは残るが、57キロを背負ってスローペースでは仕方ないところもある。ひと叩きすると一変するのは昨年の秋華賞で証明済み。アドマイヤグルーヴと比較すると馬体的に優位ではないが、それでも昨年はアドマイヤグルーヴのハナ差の2着で古馬のレディパステル、ローズバドを完封した。京都芝コースは3戦3連対。まだ見限れない。

エリモピクシーは後方からメンバー最速の33.3秒で追い込んで4着。展開が向かなかったが、凄い脚で最後に突っ込んできた。もう少し流れが速くなれば際どかったかもしれない。相手なりに堅実に走るタイプで今年の牝馬重賞で3、3、4着。流れが向けば連対圏に来そうだ。渡辺薫騎手は最近色々な面で少し変わってきた感じがあるので注意。

エルノヴァは中団の後ろから直線で差してきたが5着止まり。流れが向かなかったこともあるが、決め手比べでエリモピクシーに先着を許した。クイーンSで2着したのはホワイト騎手の腕によるところが大きかったのだろう。本質的に距離はもう少し長い方が合う。馬体が充実して調子もいいので、距離が長くなれば一変するかもしれない。AR共和国杯に軽ハンデで出てきたら少し注意したい。

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