武蔵野S
レース展望

00年にジャパンCダートの前哨戦になってからメンバーが揃いレベルが高くなった。01年にクロフネがこのレースを1分33秒3のレコードで勝ち、続くジャパンCダートも制した。ただ今年のメンバーはジャパンCダートを目指すというより、この距離が得意な馬が多く揃ったという印象。00年以降の連対馬8頭のうち7頭が関西馬。今年の中央ダート重賞は11レースあったが、関東馬は3連対のみ。ダートはメンバーの揃う関西で揉まれてきた関西馬が強いという傾向が続いている。

人気になりそうなのはエイシンハンプトン、エコルプレイス、サイレンスボーイ、トップオブワールドあたりか。エイシンハンプトンはプロキオンS2着以来4ヶ月の休み明け。前回の休み明けの春望S(東京ダ1400m)では1番人気に支持されたが、2番手からカイトヒルウインドとタカラテイオーを交わせずに3着に敗れた。500キロを超える大型馬。当然だが仕上がりが大きな鍵になる。2走前に今回と同コースのサウジアラビアロイヤルCをレコード勝たようにコース適性は十分。鞍上は追える横山典騎手。

エコルプレイスは休み明けのシリウスSで2着と格好をつけた。かなり乗り込んで仕上げていたので大きな上積みはなさそうだが、このメンバーなら能力的に圏内だろう。ただし、ダ1400mが[4-2-0-0]に対し、ダ1600mは[1-0-2-2]。やはり前走から1F延長がポイントだろう。東京コースだとガツンと行くことが多いので、昨年のユニコーンSのような大逃げがあるかもしれない。今回はペリエ騎手。どんな競馬をするか。

サイレンスボーイは前走5着に敗れたが、休み明けだったことを考えれば内容は悪くなかった。ひと叩きされた上積みは当然見込んでいいだろう。東京ダ1600mは500万条件1着、1000万条件2着と好走経験がある。連勝して一気に上がってきたマーベラスサンデー産駒。ここ2戦は連対できなかったが、今回も圏内にいる。トップオブワールドはユニコーンSの勝ち馬。この秋はダービーGP2着、南部杯4着とG1で善戦してきた。左回り巧者で今回は得意の舞台。連戦の疲れがなければ見せ場以上を作るか。

あとはクーリンガー、ブルーコンコルド、エースインザレースなど伏兵が多いが、関東馬ピットファイターに少し注目したい。今回は骨折明けでしかも初重賞挑戦と条件は厳しいが、これまでダートは[7-3-0-1]とまだ底を見せていない。オープン特別で戦ってきた相手や2走前の秋嶺S(東京ダ1600m)の勝ちっぷりからここでも通用する力はあるはず。10ヶ月半の休み明けで強気なことは言えないが、仕上がっていれば面白そうだ。

昨年のこの時期の東京ダートは内を通った馬がかなり有利な状況で武蔵野Sでも1枠2番のサイレンドディールが1着、1枠1番のロングカイソウが逃げて3着に入った。今年のダートはそういう状況ではないが、JRAの水を撒く量で前が残りやすくなるときがあるので注意したい。午前中のレースでダートをチェックして枠順の有利不利があるのか、どこを通った馬が好走しているか、どんな脚質の馬が好走しているかをよくチェックした方がいいだろう。予想で想定したことが合っているかを検証した上で馬券を買いたい。

2004/10/28
競馬アナリストGM

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