ファンタジーS
レース展望

阪神JFの前哨戦。一昨年の勝ち馬ピースオブワールドは阪神JFを勝ち、昨年のスイープトウショウは秋華賞を勝った。今年はこの2頭に続く馬が果たしているのかどうか、しっかり見極めたい。過去8年で1番人気は[3-0-0-5]。勝った3頭は全て2勝以上の無敗馬。負けた5頭のうち4頭には敗戦経験があった。1番人気は2勝以上の無敗馬だと信頼できる。逆にいうと敗戦経験のある馬は不振に終わる傾向。

前走重賞で連対した馬は人気になるが、意外にも[0-0-1-5]でこれまで連対した馬はいない。最近では新潟2歳S1着のワナが4着、函館2歳S2着のトーホウアスカが3着、函館2歳S2着のフィーユデゥレーヴが5着に敗れている。重賞実績はそれほど当てにならないので注意したい。また武豊騎手が不振で[0-1-1-5]。1番人気にはなっていないが、人気を裏切るケースが目立っている。この2つが波乱の主な要因。

人気になりそうなのはライラプス、モンローブロンド、ラインクラフト、リヴァプールの4頭。ライラプスはキャリア1戦で臨んだデイリー杯2歳Sで牡馬相手に2着に好走した。エイシンヴァイデンとの競り合いを制したことにどれくらいの価値があるのかは微妙だが、差し馬向きの展開で粘り切ったところは評価できる。体重以上に大きく見せる馬体も好印象。前述したデータが全て当てはまるのが嫌だが、これまでデイリー杯で連対した馬の参戦はない。武豊騎手は今年のG3で1番人気になると[9-3-1-0]で連対率92.3%。G1は不振だが、G3なら信頼度は高い。

モンローブロンドは新馬戦とりんどう賞を連勝。りんどう賞では内々で折り合いをつけて直線で追い出すとスパッと抜け出してきた。スローの上がり勝負でレースのレベル自体は高くないが、この馬自身まだ余力があったことも事実。今回はかなり時計を詰める必要があるので、それに対応できるかどうかだろう。父は先日亡くなったアドマイヤベガ。昨年、1番人気のツルマルシスターで7着に敗れたアンカツがどんな騎乗を見せるか。

ラインクラフトは牝馬限定の新馬戦を5馬身差で圧勝。内回りの京都芝1400mで勝ちタイムは1分21秒8。昨年のスイープトウショウと同じステップで来たが、新馬戦の勝ちタイムは1.1秒も早い。レースの上がり3Fはスイープトウショウが11.9-11.8-11.1秒でラインクラフトは11.7-11.4-11.3秒でどちらもラップは尻上がり。両馬とも父がエンドスィープというのだから面白い。まだキャリア1戦で大きなことは言えないが、ライラプスに喧嘩を売って勝つようなら楽しみは大きくなる。福永騎手はオークス以来、重賞勝ちがない。そろそろ燃えて欲しい。

リヴァプールはキャリア4戦で3、2、1、1着と調子を上げてきた。阪神芝1400mの未勝利戦で2着に3馬身差をつけた勝ちっぷりも良かったが、前走のサフラン賞は苦しい位置取りから差し切る強い内容だった。メンバー最速の33.7秒の切れ味は高評価できる。パドックでも目立っていたし、このメンバーに入っても見劣らない。前走川島騎手に乗り替わったのは色々と理由があってのもの。今回、川島騎手はかなり燃えていることだろう。

あとは決め手鋭いコスモキララ、前走脚質転換に成功したツルマルオトメなどがいるが、上位4頭は強力なので展開の助けが欲しい。前が崩れるような流れなら突っ込みがあるかもしれない。京都芝コースは今週までAコース。土曜の競馬で馬場の傾向を掴みたい。

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