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エリザベス女王杯
レース展望

3歳馬と古馬が争う女王決定戦。ファインモーションとダンスインザムードが出走すれば豪華メンバーだったが、昨年ワンツーのアドマイヤグルーヴとスティルインラブ、今年の秋華賞馬スイープトウショウとまずまずのメンバーが揃った感。まずはデータだが、古馬に解放された96年以降1番人気は[2-3-1-2]、2番人気は[3-2-0-3]でともに5連対。連対馬16頭のうち13頭に牝馬限定G1で連対経験があった。G1実績はかなり重要で牡馬相手に負けていても牝馬同士なら巻き返すというのがこれまでのパターン。

人気になりそうなのはアドマイヤグルーヴ、スイープトウショウ、スティルインラブの3頭。あと少し離れてエルノヴァ、レクレドールの2頭か。アドマイヤグルーヴは昨年の覇者でコース適性は証明済み。昨年はロースS1着→秋華賞2着→エ女王杯1着と全て中3週だったが、今年は京都大賞典4着、中2週で天皇賞(秋)3着、そして中1週でエ女王杯と間隔が詰まる。前走は最内を回ったとはいえ、渋った馬場で古馬相手に3着に激走。誰も言うように不安なのは状態面だろう。

母エアグルーヴは馬体のボリュームが凄かったが、娘はボリューム感があって良く見せるときは走らない。馬体重が470キロを超えると7、5、4着。ただ全て牡馬相手でももので、陣営が仕上げ切っていなかったこともあるのだろう。前走は12キロ減で464キロ。この中間は軽めに終始し、最終調教は坂路で強めに追った。馬体や気配を確認した上でどうなのか判断したい。武豊騎手は牝馬限定G1で単勝1.5〜1.9倍だと[0-1-0-5]で危険ゾーン。今年は同一G1レース4連覇がかかる。

スイープトウショウは秋華賞で後方2番手から豪快な追い込みを決めた。池添騎手が追い出しをギリギリまで我慢して直線では1頭だけ次元の違う切れ味。春は距離延長が危惧されたこともあったが、それを嘲笑うかのような勝利だった。今回は4戦4勝と得意にしている京都コース。ゲート試験にも無事合格した。先週の金曜に坂路で52.3秒を出している。今回も末脚勝負に徹しそうだが、その場合に展開がどうなのか。昨年ハイペースを演出したメイショウバトラーとオースミハルカの出方が少し気になる。今年の3歳牝馬のレベルはどうなのだろう。

スティルインラブは金鯱賞8着、宝塚記念8着、北九州記念12着と春は牡馬に全く歯が立たなかった。ただ全て460キロ台でのもので、陣営は秋を見越した仕上げだったか。前走の府中牝馬Sでは57キロを背負って0.2秒差の3着。昨年のいいときのような強さは感じなかったが、内容は悪くなかった。ひと叩きすると一変するのは昨年の秋華賞で証明済み。昨年負けたアドマイヤグルーヴと比較して馬体的に優位ではないが、このレースを目標にしたローテーションはいい。京都コースは3戦3連対の得意コース。3冠牝馬の意地を見せるか。

エルノヴァは藤沢和&ペリエのコンビで人気になりそう。重賞実績はクイーンS2着しかないが、血統的に距離延長は望むところ。前走は少し緩い仕上げでプラス10キロだったが、今回はきっちり仕上げてきそうだ。外国人騎手が乗ると[1-5-1-0]で連対率85.7%。相手なりに堅実に走るタイプ。レクレドールは札幌で復帰したときが466キロだったが、前走444キロまで落ち込んだ。コースと距離はこなしそうなので、馬体がどこまで回復してくるかが鍵。なお、アンカツが水痘と髄膜炎で入院したため騎乗できなくなった。

あとは重賞2連勝で本格化してきたオースミハルカ、夏の小倉で牡馬相手に善戦したメイショウバトラー、秋華賞で追い込んで5着したヤマニンアラバスタ、今年牝馬重賞で2勝を挙げているオースミコスモあたりが人気面で続きそう。逃げや追い込みなど極端な脚質の人気薄が3着に突っ込むことが多いので少し注意したい。フランスから参戦するウォートルベリーは社台の吉田照哉氏の持ち馬。これまでの成績から時計の掛かる馬場が合いそうだが、馬体や走法を見た上で判断したい。昨年はアナマリーが人気だったが、3着に来たのは推奨したタイガーテイルの方だった。マスコミに騙されてはいけない。

京都芝コースは今週からA→Bコースに変更される。先週は内側が荒れていたが、内ラチから4メートルのところに仮柵が設置されるので荒れた部分がカバーされそう。まずは土曜の競馬でどこを通った馬が伸びているか、どんな走法の馬が好走しているかをよくチェックしたい。あとは前走G1で激走した馬が多いので、馬体重とパドックは必見だろう。パドックで馬体、気配をチェックして納得した上で馬券を買いたいところ。

2004/11/10
競馬アナリストGM

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