マイルCS
レース回顧

デュランダルはいつものように後方を進み、直線で大外から追い込むと一頭だけ次元の違う末脚でレースを制した。道中はファイモーションを外を出せないようにブロック。4コーナーで馬群が詰まっていたため、池添騎手は直線に向いて追い出すタイミングを見計らう余裕があった。まさに完勝。上がり3Fはメンバー最速の33.7秒。これまで15戦して13戦がメンバー最速というのだから凄い。パドックでは馬体の張りが目立ち、外めを勢いよく周回していた。ひと叩きされて調子を上げていたのだろう。今回の切れ味がこの馬本来のもの。馬体は452キロと大きくないが、だからこそこの切れ味を発揮できるのだろう。次走は香港マイル。今の勢いがあれば海外G1制覇は難しくないだろう。期待したい。

ダンスインザムードは中団からしぶとく伸びて2着。外枠スタートで道中は大外を回ったが、それできっちり2着を確保したのだから凄い。中団から差す競馬で結果を出したことも今後に繋がるはずだ。ここ2戦、ルメール騎手は上手く乗っている。3歳馬は01年に斤量が1キロ増量されてから不振だったが、それを打ち破った。まだ調教で非力なところを見せる現状から考えるとこの馬の心肺機能の高さは半端じゃない。秋華賞ではイレ込んで自滅したが、今回はそういうところもなかった。馬が成長してきているのだろう。天皇賞(秋)、マイルCSと牡馬相手に2着。どこまで行けるのか楽しみだ。

テレグノシスは後方2番手から追い込んで3着。横山典騎手がこの馬の末脚を生かし切ったが、それでも届かなかった。京都外回りではこれが精一杯だろう。相手が悪かった。直線の長い京都外回りという条件がつくかもしれないが、これで一応は右回りを克服。次走は香港マイルでデュランダルと対戦することになるようだ。

マイネルソロモンは最後方から追い込んで4着。小牧騎手が終い勝負に賭けたが、前にいたデュランダルとテレグノシスに上がり3Fで上回れなかった。それほど切れ味がある馬ではないので、むしろよくここまで差してきたといった印象。春からずっと使われているが、逆にここにきて調子を上げてきた感じもある。栗坂がこの馬に合うのだろう。今年活躍が目立つ国枝厩舎の馬。どこかで重賞を勝てそうだ。

プリサイスマシーンは中団からしぶとく伸びて5着。最後は馬群から抜け出して見せ場を作った。初のマイル戦でこれだけやれれば上々。骨折復帰後、だいぶ調子を上げてきた藤田騎手も上手く乗った感。デュランダルのような切れ味のある馬が相手では辛いが、持ち前のしぶとさを生かせるレースならかなりやれる。流れが緩まないマイルも合いそうだ。

アドマイヤマックスは中団から伸びてきたが6着止まり。この中間かなり乗り込まれていたが、プラス10キロと少し太かったか。最後は内にモタれていた。左回りだと持ち前の切れる脚で上位に来るか、まだ右回りでは信頼できないというのが正直な印象。難しい馬で乗り慣れた騎手でないと厳しそうだ。

ファインモーションは後方を進み、直線では内に突っ込んで馬群を捌くのに苦労して9着に敗れた。道中やや掛かり気味で途中から池添騎手のデュランダルに外にピッタリとマークされて外に出せなかった。昨年は大外枠で上手くいったが、今年は内枠が災いした。全く力を出せずに自滅した印象。滞在競馬だった前走からプラス8キロ。仕上げも少し甘かったか。

ラクティは大きく出遅れて一気に好位に取りつくチグハグな競馬。直線では全く伸びがなく14着に敗れた。前半にあれだけ脚を使っては大敗も仕方ない。最終調教の本馬場の動きは良かったし、パドックでも独特の柔らかさを見せて仕上がりは良かっただけに勿体なかった。次走は香港マイルでデュランダルと再度対決することになる。

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