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JCダート
レース回顧
タイムパラドックスは中団のやや後ろから徐々に進出。直線に向くとトータルインパクトとクーリンガーの間を割って一気に伸び、最後は2着に2馬身半差をつけてレースを制した。上がり3Fはメンバー最速の37.2秒。外々を回った2、3着馬と対照的に馬込みで我慢したこともあるが、直線の伸びは一頭だけ違っていた。外国馬トータルインパクトを意識してJRAが水を撒いたのか、いつもよりダートは黒ずんでいた。タイムパラドックスは水分の含んだダートが得意。そのあたりにも勝因があったように思える。2000m以上のレースはブリーダーズGC、白山大賞典、JCダートと3連勝。長距離ダートでは崩れない。次走は暮れの東京大賞典。帝王賞4着、JBCクラシック3着に負けているだけに2000mが鍵になる。
アドマイヤドンは中団から伸びてきたが、直線でジンクライシスを交わすのが精一杯で2着に敗れた。最後は地力を見せたが、一杯一杯だった。直線の長い東京コースだと終いが甘くなるような印象もあるが、ローエングリンの作ったハイペースで外々を回ってはさすがに辛かったか。プラス8キロだったが、馬体は太め感はなく仕上がりは良く見えた。ただ以前はパドックで目をギラギラさせて気合が凄かったが、最近はその気合が薄れてきている。馬がダートで同じようなメンバーでの競馬に飽きてきているのかもしれない。そういったことを考えると芝への路線変更はプラスに働く可能性もある。来年は大阪杯から始動。芝でどんな走りを見せてくれるか楽しみだ。
ジンクライシスは好位から外々を回って直線で一旦先頭に立ったが、内からタイムパラドックス、外からアドマイヤドンに差されて3着。初重賞挑戦がG1と条件は厳しかったが、アドマイヤドンに真っ向勝負を挑んでこの内容。高評価しないといけないだろう。直線で抜け出してくる姿はまさに鳥肌もの。蛯名騎手がもう少し仕掛けを遅らせていれば際どい競馬になっただろう。ただ本人は3着で十分といった様子。このあたりに関東騎手がG1を勝てない理由があるような気もする。3歳の外国産馬はパーソナルラッシュ、カフェオリンポスなどレベルが高い。来年は一時代を築きそうだ。
トップオブワールドは後方から追い上げて5着。陣営の指示通り、四位騎手が終いを生かす競馬で掲示板を確保した。上がり3Fはメンバー2位の37.3秒。武蔵野Sは不利があり8着に敗れたが、得意の東京コースでこの馬の力を見せた。ベストはもう少し短い距離だが、この距離でよく走っている。
ユートピアは6、7番手から直線で伸びてきたが6着止まり。ペースが早かったため、デムーロ騎手が控えたようだ。道中砂を被って寄れるなどスムーズさを欠いていたが、最後まで競馬を止めずに伸びてきたのは収穫。馬体の作り、張りが目立ち、調子はかなり良かったが、力を出し切れなかった。
ハードクリスタルは最後方から追い込んで9着。1コーナーでごちゃついて位置取りが悪くなったのが痛かった。向こう正面で追い上げたぶん最後は伸び切れなかったが、今後の目処は立った感じ。パドックでは馬体が目立っていたし、これからオープン、重賞で活躍できるだろう。
ローエングリンはハイペースで逃げて直線で失速し13着に敗れた。大外枠からガツンと行ってハナを切ったが、道中緩むところがなかった。最近は折り合いがついていたが、このペースではさすがに持たない。仕上がりは良かったが、今後に向けて課題を残した感。
外国馬は4着のトータルインパクトが最先着。早めの競馬で直線で見せ場を作ったが、最後は一杯になった。パドックでは少しごつい印象を受けたが、このスピード競馬に対応できるのだから立派。JRAは馬場作りなど意識しているようなので、もう少しレベルの高い馬が来れば通用しそうだ。欧州の2頭は15、16着に惨敗。ズルズル後退して見せ場はなかった。
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