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ステイヤーズS
レース展望

中山の内回りコースを2周する長距離戦。96年までG3のハンデ戦だったが、97年にG2の別定戦に変更された。別定戦で実力馬に有利になり以前ほど荒れなくなったが、最近4年は馬連240.1倍、53.0倍など波乱もある。過去10年で1番人気は[5-2-0-3]で連対率70%。連対を外した3頭は前年の菊花賞で連対した馬だった。昨年のファストタテヤマもこれに当てはまる。過去10年の連対馬20頭のうち前走連対していた馬は6頭のみ。前走着順はほとんど問われない。長距離路線を順調に使われた馬が強い。

人気になりそうなのはダイタクバートラム、メイショウカチドキ、ハッピールック、チャクラの4頭。ダイタクバートラムは一昨年の2着馬。昨年の天皇賞(春)は1番人気で3着したが、その後、右前脚に蟻洞を発症し長期休養を余儀なくさせられた。この春は不振だったが、夏の北九州記念をレコードで制し復活。この秋の京都大賞典は5着に敗れたが逃げる競馬で度外視。AR共和国杯は追い込んで0.4秒差の4着。トップハンデ58.5キロを考えれば評価できる内容だった。今回は叩き3戦目で鞍上にデムーロ騎手。3000m以上で[2-1-2-0]の実績があり、馬体も長距離向きだけに格好はつけそうだ。別定57キロも有利に映る。

メイショウカチドキは6月の函館で復帰するとここまで5戦4勝2着1回で一気にオープンまで昇り詰めた。2走前の阿寒湖特別では2着に5馬身差をつける強い内容。時計の掛かる北海道の馬場が合うタイプだが、前走の比叡では時計の早い京都でメンバー最速の33.8秒で上がってアイポッパーを完封した。今回は重賞初挑戦で別定の57キロと条件は楽ではないが、今の勢いは無視できない。ただし前走馬体が16キロ減って少し細く見えた。中山への輸送もあるので、仕上がりに注意したい。

ハッピールックは昨年の3着馬。この夏は北海道の芝2600mのオープン特別を2勝し長距離適性を示した。時計の掛かる北海道の馬場が合う馬でどちらも完勝だった。前走のAR共和国杯はスローの上がり勝負で8着に敗れたが、この馬なりに終い伸びていた。元々脚捌きに硬さのある馬でクッションの利いた時計の掛かる馬場が合うタイプ。12月の中山はオーバーシード。開幕週で上がりの競馬になると辛いが、芝丈が長く時計の掛かる馬場ならさらに狙い目が出てきそうだ。鞍上はペリエ騎手。

チャクラは昨年の覇者。この春は天皇賞(春)4着、目黒記念1着と力のあるところを見せたが、秋は京都大賞典10着、AR共和国杯12着と不振に終わっている。調教の動きも重苦しく映ったし、パドックでも馬体にいいときの張りがなかった。元々叩き良化タイプなので、3戦目でどこまで変わってくるかが鍵。G1の強い相手には歯が立たないが、G2で相手が弱くなると本領を発揮するタイプ。距離とコースは向くだけに調子を上げてくるようなら58キロでも侮れない。

あとはAR共和国杯で1番人気に支持されたグラスポジション、福島記念で3着に好走したラヴァリージェニオ、昨年の2着馬でAR共和国杯でひと叩きされたエリモシャルマンあたりが人気になりそうだ。ステイヤーズSと言えば岡部騎手。過去10年で[3-1-0-2]で連対率67%を誇る。昨年は直前の骨折で復帰が遅れ騎乗できなかったが、今年はラヴァリージェニオに騎乗する。ラヴァリージェニオは[3-2-0-1]の中山巧者。雨で少し馬場が渋るようだと面白そうだ。岡部騎手はホットシークレットで重賞を勝ってから丸2年。復帰後の重賞初勝利を期待したい。

2004/12/02
競馬アナリストGM

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