たんぱ杯2歳S
レース展望

翌年のクラシックを占う上で重要なレース。大物が多く出るレースで過去10年の勝ち馬からタヤスツヨシ、アドマイヤベガ、アグネスタキオン、ザッツザプレンティと4頭のクラシックホースが誕生している。昨年の勝ち馬コスモバルクは皐月賞2着、ジャパンC2着と活躍している。今年は少頭数になりそうだが、かなりの好メンバーが揃った。先週の新馬戦で名前通りインパクトのあるレースをしたディープインパクトは若駒Sに向かうようだ。とにかく来年に向けて見逃せない一戦になる。

過去10年で1番人気は[1-3-4-2]で連対率40%。勝ったのは98年のアドマイヤベガのみ。差して2、3着に敗れるケースが目立つ。ここ2年はブルーイレヴン7着、ブラックタイド4着。2番人気は[6-2-1-1]で連対率80%。タヤスツヨシ、アグネスタキオン、ザッツザプレンティは2番人気だった。超スローになった01年を除き、1、2番人気のどちらかが連対している。また1戦1勝で連対した3頭は翌年春のG1で連対している。

人気になりそうなのは、ローゼンクロイツ、ヴァーミリアン、アドマイヤジャパンの3頭。ローゼンクロイツはマイルの新馬戦は2着に敗れたが、京都芝2000mの未勝利戦と京都2歳Sを連勝。全姉ローズバド。姉と同じ橋口厩舎の馬でいわゆる「バラ一族」。この血統は終いが切れるが、ローゼンクロイツもここ2戦の切れ味は目を見張るものがあった。馬が走りに前向きでパドックを見るだけでも走る馬独特のものを感じさせる。相馬眼的な裏づけがあるので能力は確かだろう。鞍上に阪神芝2000mの鬼・アンカツ。まず勝ち負けだろう。

ヴァーミリアンは新馬戦を3馬身差で楽勝。2戦目は少し消極的なレースで位置取りが悪くなりテイエムヒットベに負けたが、これがこの馬の能力ではないことは誰もが認めるところ。京都2歳Sはローゼンクロイツの切れ味に屈したが、きっちり2着を確保した。現状は対ローゼンクロイツで切れ味勝負だと辛いが、ローゼンクロイツにも騎乗している武豊騎手は当然対策してくるだろう。一戦ごとに馬体、気配は良くなってきている点は見逃せない。相手なりに走る堅実さは魅力。

アドマイヤジャパンは新馬戦を2馬身差で快勝。出遅れて前半は位置取りが悪くなかったが、外から一気に捲くって直線で後続を突き放した。かなりの距離ロスがあったが、それで上がり3Fはメンバー最速の34.6秒。まだ少しフワフワしているが、素質はかなり高そう。馬名からも期待の高さが窺える。母は3戦3勝で阪神3歳牝馬Sを制したビワハイジ。今回は一気のメンバー強化で時計を大幅に詰めないといけないので楽ではないが、横山典騎手が大胆に乗ってくれば面白そうだ。

あとは京都2歳Sで3着に突っ込んできたシックスセンス、エリカ賞で直線一気を決めたトーセンマエストロが人気になりそう。人気になりそうにないが、1戦1勝のグランロワイヤルに注目したい。新馬戦は4コーナーで後方2番手と苦しい位置取りだったが、直線で馬群を割って伸び、最後は3頭並んでの叩き合いを制した。勝ち時計は平凡で馬体にはまだベールを身につけているが、走る馬独特のものがある。同じ松田国厩舎のタニノギムレット、キングカメハメハもこの時期はベールを身につけていた。現時点でどんな勝負ができるか楽しみだ。

2004/12/22
競馬アナリストGM

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