たんぱ杯2歳S
レース回顧

ヴァーミリアンは2番手から直線で抜け出して1着。前半5F64.9秒の超スローペースは前走の京都2歳Sとほぼ同じペース。そのときより前につけてローゼンクロイツを完封した。阪神の直線の坂とペースを考慮して騎乗した武豊騎手の好プレー。調教で一杯に追って仕上げてきたように前走より体調もアップしていた。石坂厩舎はこれが今年の重賞初勝利。狙ったレースをきっちりものにした感。ヴァーミリアンはデビュー以来4戦2勝2着2回。馬が一戦ごとに競馬を覚え、馬体も成長してきている。来年のクラシックで楽しみな馬。

ローゼンクロイツは中団から差してきたが1馬身差の2着。上がり3Fが勝ったヴァーミリアンと同じ33.7秒。京都2歳Sを勝ったときが33.3秒。直線に坂があるぶん最後切れなかった。スローの上がり勝負にも対応できるが、競馬センスが良く馬群を割れるので混戦になった方が持ち味を生かるタイプ。今回は負けたが、悲観する内容ではない。馬体が大きくないのはこの一族の特徴。馬が走りに前向きなので、これからも堅実に走ってきそうだ。混戦になる皐月賞が面白そう。

アドマイヤジャパンは後方からグイグイ伸びて3着。出遅れて後方を進んだが、末脚はかなり目立っていた。まだキャリア1戦で競馬は上手くないが、新馬戦に続き能力を感じさせる内容。キャリアを積んで競馬を覚えてくればかなり走ってきそうだ。馬体はまだ緩いが骨格がいいので、これから筋肉がついてくればいい馬になる。

シックスセンスは後方から伸びてきたが4着止まり。前走同様、メンバー最速の末脚を使っているが、さすがにこの流れだと届かない。2000mもこなせるが、ペースが速く末脚を生かせるという点で1800mの方が合いそう。夏の函館で好走した馬で切れ味不足を懸念したが、ここ2戦でそれを払拭。長浜厩舎の調教に耐えられればどこかでチャンスがありそうだ。

シルクネクサスは超スローペースで逃げたが、直線で次々に交わされて5着。それほど切れる脚はないので、ラスト3Fの上がり勝負では辛かった。もう少し早めにスパートしていれば馬券圏内があったかもしれない。重賞ではややパンチ不足だが、前に行けるので展開次第で一発がありそう。グラスワンダー産駒で馬体は見栄えがする。

グランロワイヤルは後方から伸び切れずに6着。各馬がスパートしたときに反応できず、直線で最後方まで下がったのが痛かった。馬体の作りは目立つが、まだ芯が入り切っていないぶん反応できないのだろう。現状は瞬発力比べでは苦しそうだ。ただ今回で課題が見えたのも事実。松田国調教師がそこをクリアできるように鍛えてくるだろう。春に大化けする可能性を残している。

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