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天皇賞(春)
レース展望

最強ステイヤー決定戦。過去10年で1番人気は[3-2-2-3]で5連対。連対した5頭には菊花賞または天皇賞(春)で連対があり、連対を外した5頭のうち3頭にはなかった。長距離G1で連対のない馬が1番人気だと危険。馬連は5回が10倍以下と堅く収まることが多いが、最近2年は164.9倍、366.8倍と大荒れ。昨年は10番人気のイングランディーレが逃げ切って大穴をあけた。有馬記念の勝ち馬など確たる馬がいないときは荒れている。人気の盲点になる長距離重賞実績馬に注意したい。

最近4年の連対馬8頭のうち6頭に中山芝2500mのG1で3着以内、またはG2勝ちがあった。01年1着テイエムオペラー(有馬1着)、2着メイショウドトウ(有馬2着)、02年1着マンハッタンカフェ(有馬1着)、03年2着サンライズジェガー(AR共和国杯)、04年1着イングランディーレ(日経賞1着)、2着ゼンノロブロイ(有馬3着)。中山芝2500mの激しいレースで好走したことのある馬が激走するので注意したい。今年は日経賞勝ち馬が2頭いるが、激しいレースという点で該当するのはシルクフェイマス(有馬3着)、リンカーン(有馬2着)の2頭か。

人気になるのはヒシミラクル、シルクファイマス、リンカーン、アイポッパー、アドマイヤグルーヴ、マカイビーディーヴァ、ハーツクライあたりだが、人気はかなり割れそう。1番人気がどの馬になるかは新聞の印に左右されそうだ。ヒシミラクルは昨秋に復帰して秋天16着、JC9着、有馬14着と惨敗が続いたが、60キロを背負った京都記念で3着に入った。春天と菊花賞を勝っており、京都の長丁場はベストの舞台。前走くらいでは足りないので、どこまで復調しているかが鍵。例によって3コーナーから早めにスパートするのだろう。

シルクファイマスは春天3着、宝塚2着、有馬3着とG1で好走。ゼンノロブロイとタップダンスシチーがいない今回はG1制覇のチャンスか。雨が降ると全く駄目だが、良馬場なら堅実。昨年は初の長距離戦で手探りだったが、今年は違う。昨年の日経新春杯の勝ちっぷりはインパクトがあった。リンカーンは阪神大賞典3着。休み明けとしては悪くない内容だった。昨年は阪神大賞典を楽勝し、春天で1番人気に支持されたが13着に惨敗。道中折り合いを欠いていた。今年も折り合いが鍵だが、枠はいいところを引いた。

アイポッパーは阪神大賞典2着。外からリンカーンに寄られて何度も手前を替えていた。今回は[4-2-0-0]の京都コース。今年は芝3000mの万葉Sを勝っている。重賞勝ちの実績はないが、今の勢いと得意コースでどこまでやれるか。アドマイヤグルーヴは牡馬相手の重賞は[0-0-1-4]で秋天3着が最高。秋天は464キロだったが、他の4戦は全て470キロ以上で太めが残っていた。前走の大阪杯は486キロ。1週前に坂路で猛時計を出したが、どこまで絞れてくるか。母エアグルーヴは秋天を制した女傑。鞍上は武豊騎手。

マカイビーディーヴァはエイプリルS7着。スローの瞬発力勝負でレースの上がりが34.2秒。59キロを背負って後方からでは届かなくて当然。単勝1.9倍だったが、オーナーが大量購入したようだ。今回はミラクルおじさんとの単勝勝負を見てみたいもの。馬はメルボルンC(芝3200m)を連覇した女傑。日本の馬場への対応力はありそう。ハーツクライは大阪杯2着。昨秋は菊花賞7着、JC10着、有馬9着とボロボロだったが、ダービー激走の反動があったのだろう。菊花賞の結果から長距離では終い切れないというのが一般的な見解。

あとは大阪杯で復活したサンライズペガサス、菊花賞馬ザッツザプレンティ、5戦連続連対中の上がり馬トウショウナイト、阪神大賞典を勝ったマイソールサウンドあたりが続きそう。昨年は大逃げしたイングランディーレを誰も追いかけずにそのまま逃げ切りを許した。競馬ファンを失望させる消極的なレース。ヴィータローザに騎乗した岩田康騎手はレース後に「周りが動かないのでジッとしていたらこんな結果に。恥ずかしい」とコメント。その後、岩田騎手は菊花賞でデルタブルースに騎乗しロングスパートを決めている。

今年の天皇賞(春)はどんな展開になるのだろう。逃げるのはビッグゴールドか。3コーナーからヒシミラクルがロングスパートすれば、岩田騎手のザッツザプレンティも動くだろう。菊花賞馬2頭がそのままゴールに飛び込むのか、それとも馬群に沈むのか。馬の能力はもちろんだが、展開もポイントになりそうだ。あとは馬場。今の京都の馬場がどういうタイプに有利なのかのを見極める必要がある。相馬眼的に狙ってみたいのは前走激走のシグナルを出したあの馬。小さいことだが、そこを見逃してはいけない。

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