NHKマイルC
有力馬診断

[7 ]ラインクラフト
フィリーズR激走の疲れが出た桜花賞のときより調整過程は順調。桜花賞をレコード勝ちした反動はない。最終調教では馬体を大きく見せ、前走より調子が良さそう。あとは長距離輸送をこなせるかどうか。当日極端に馬体が減ったり、イレ込んでいなければ大丈夫だろう。牡馬との対戦は初めてだが、桜花賞2着のシーザリオは2戦目の寒竹賞でアドマイヤフジ、ダンスインザモアを負かしている。今年の3歳牝馬はレベルが高い。もっと言うと一線級以外の3歳牡馬はレベルが高くない。フローラCではディアデラノビアが最後方から豪快な追い込みを決めたが、今回出走の牡馬に同じ競馬ができる馬がいるだろうか。ラインクラフトはフィリーズRで差す競馬で勝ったことが今回はプラスになるはず。福永騎手は長距離は駄乗が多いが、マイルなら信頼度は高い。

[6+]デアリングハート
エルフィンSのときは馬体が減ってここまでかと思わせたが、フィリーズRでプラス4キロ、桜花賞でプラス2キロと馬体が戻ってきた。それも強い調教をやって戻ってきたのだから、よほど芯が強いのだろう。藤原厩舎はこのパターンで馬を駄目にするが、この馬は違う。さすがは社台の良血馬といった印象。ラインクラフトを取り上げるなら、ここ2戦際どい競馬をしているこの馬も評価しないといけないだろう。東京の長い直線がどうかだが、過去に栗坂で同じような動きをしたウインクリューガーがNHKマイルCを制した。この時期なら勢いがあれば何とかなる。後藤騎手がわざわざ栗東に来たあたり、社台のやる気を感じさせる。

[6+]インプレッション
アーリントンC3着、ニュージーランドT3着と勝ち切れない競馬が続いているが、馬は徐々に成長している。レース後に疲れが残らない馬ですぐに乗り始められるし、中間はいつも好時計を連発している。まだトモが少し甘い感じはあるが、それも徐々に解消されてきている。トモが甘いため、直線の短いコースでの瞬発力勝負になると見劣るが、今回は直線の長い東京コース。スピードの持続力が問われれば逆転する可能性がある。切れ過ぎないところを評価したい。

[6+]アイルラヴァゲイン
脚捌きの硬さは相変わらずだが、調教はまともにできている。前走好時計で圧勝したが、大きな反動はなさそう。ただ上積みがないのが、G1でどう出るか。土曜の京都新聞杯はインティライミが勝ったが、これでアイルラヴァゲインを除き新潟2歳S組は6着まで全て重賞勝ち馬になった。柴田善騎手→武豊騎手→横山典騎手と鞍上の不安は消えたし、このメンバーなら好勝負を期待したくなる。横山典騎手はNHKマイルC[1-3-0-2]で連対率71.4%と乗れている。

[6+]セイウンニムカウ
このレースを目標にきっちりと調教をされて調子を保っている。調教の動きはそれほど目立つ馬ではないが、ストライドの大きな走りは東京向き。頭が上がると伸びを欠くが、陣営は馬具をつけてそこを矯正してきた。前走はスタート直後にぶつけられて位置取りが悪くなり、直線では前が詰まって全く追えなかった。乗り難しい馬だが、広いコースでアンカツなら最後の伸びは変わりそう。朝日杯は内を回ったが、ペールギュントとマイネルハーティーとタイム差はなかった。

[6+]マイネルハーティー
ニュージーランドTは派手な勝ちっぷり。勝ったことで馬は気分が良くなったのか、最終調教は前走より雰囲気が良かった。これまでのレースから直線が短いコースでの追い込みタイプに映るので、直線の長い東京コースで一瞬の切れ味をどう生かすかが大きな課題。ただマイルを1分33秒台で走る脚力はあるので、あとは内田博騎手の乗り方次第だろう。土曜に東京で乗って馬場は掴んでいるはずなのでそのあたりに期待。

[6+]ビッグプラネット
皐月賞は正直に逃げて13着に惨敗したが、初の2000m、プラス6キロ、テン乗りの柴田善騎手が影響した印象で度外視したい。キャリア1戦で臨んだアーリントンCは逃げて重賞好走馬を完封したようにここで通用する能力はある。この馬もマイルを1分33秒台で走れる脚力はあるので、あとは展開と折り合い次第だろう。現時点では馬体や気性面を考えると短い距離に適性がありそうだが、この一族はとにかく心肺機能が強い。そこに期待する手はある。

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