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オークス
レース展望

牝馬クラシック第2弾。今年は桜花賞1、3着のラインクラフト、デアリングハートが距離適性が考慮されてNHKマイルCに出走。牡馬相手にワンツーを決め、牝馬のレベルの高さを証明した。桜花賞馬の出走がないのは02年以来2年ぶり(02年桜花賞馬はアローキャリー)。当然人気になるのは桜花賞2着のシーザリオ。2番人気はフローラSを勝ったディアデラノビア。この2頭は角居厩舎の馬で馬主キャロットファーム、生産ノーザンファームも一緒。陣営は少し複雑だろう。今回が初対戦。この2頭の対決は非常に興味深い。

過去10年で1番人気は[2-1-2-5]で3連対。最近4年は3、5、7、4着と全て連対を外している。キョウエイマーチ、テイエムオーシャン、ダンスインザムードなど、桜花賞で強い競馬をした馬は不振傾向。過去10年で馬連10倍以下はなく、万馬券が4回。最近3年は全て万馬券と荒れている。前々走重賞3着以内で前走桜花賞6着前後に負けた馬が激走するケースが目立つ。オークスは昔から小柄な馬が走ると言われるが、最近4年の連対馬は412〜448キロ。やはり小柄な馬が好走している。

シーザリオは前走桜花賞2着。内々の苦しい位置取りだったが、直線でラインクラフトが抜け出したスペースを突いて最後はラインクラフトに頭差まで迫った。上がり3Fはメンバー最速の34.4秒。強い内容だった。関東への輸送を2回経験し、寒竹賞では芝2000mをこなした。脚質に自在性があり、折り合いもつくので、距離はそれなりにこなしそう。鞍上は昨年のオークスを制し、今年はG1-3勝の福永騎手。あとは不安がないのが不安ということだけだろう。見えている部分もあるが、強い馬は課題が見えにくい。そこは予想で鋭く迫りたい。

ディアデラノビアは前走フローラS1着。スローの上がり勝負で前が残る展開だったが、最後方から大外を回って最後はきっちり差し切った。チューリップ賞では出遅れて道中掛かり直線では外から寄られる不利、フィリーズRでは後方から一気に捲くったがゴール前で力尽きた。角居調教師の「失敗」というコメントはアンカツの騎乗のことなのか。結局、騎乗したアンカツは降ろされた。ただ頭の高い馬にアンカツを乗せたこと自体が失敗ではなかったか。今回はデザーモ騎手に乗り替わる。出遅れ、折り合いなど課題は沢山あるが、既に見えている。シーザリオを負かせるモノを持っているかが焦点。

エアメサイアは桜花賞4着。道中ずっと外を回ってトップと0.4秒差なら内容は悪くない。ただ白梅賞ではディアデラノビアに直線で2馬身突き放され、フィリーズRでは最後伸び切れずに3着に敗れたあたり、もうワンパンチ欲しいのも事実。最後の詰めが甘いのは母エアデジャヴー譲りか。精神状態がまともなら自在に動けるので、武豊騎手の腕に期待か。レースパイロットはフローラS2着。キングカメハメハの半妹だが、相変わらず馬体の線は細い。ただこれで走っているので、現時点では気にしない。この中間一頓挫あったが、調教はこなしている。フローラSは出走権を獲りに行ったレース。今回は違ったレースになりそう。

東京コース2勝のライラプス、チューリップ賞の勝ち馬エイシンテンダー、2歳女王ショウナンパントルあたりが人気面で続きそう。ライラプスは賞金的にオークス出走可能にも関わらずスイートピーSを使った。間隔を詰めて使った方がいいタイプと陣営のコメントしている。エイシンテンダーは陣営が今になって桜花賞は調子が悪かったとコメント。そんなものは調教を見れば分かるが、そのときのコメントを覚えているなら今さら言うことはないだろう。競馬ファンに失礼。陣営の意識レベルが低過ぎる。ショウナンパントルは桜花賞ではフケがきていたようだ。陣営のコメントは予想ファクターのひとつだが、全て鵜呑みにするのではなく、自分なりに消化しないといけない。

あとはクイーンC2着のジョウノビクトリア、忘れな草賞を勝ったジェダイト、チューリップ賞2着のアドマイヤメガミなど伏兵も多い。東京は今週からA→Cコースに変更される。まずは土曜の競馬を見て、どこを通った馬が有利なのかを見極めたい。長距離輸送や当日のG1独特の大歓声でイレ込む馬がいそうなので、最後までよくチェックした方がいいだろう。それで外れることもあるが、馬券は自分で納得した上で買いたいもの。3歳戦の基本は相馬眼。今回も相馬眼的に高評価できる馬を中心に狙いたい。

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