ダービー
有力馬診断

[8 ]ディープインパクト
最終調教は動き、馬体の作りも目立ったが、折り合い、追われてからの反応、手前の替え方など中身もほぼ完璧。皐月賞で激走した反動どころか、この6週間でさらに馬が成長して皐月賞のときより調子を上げている。この動き、気配なら陣営も悔いはないだろう。皐月賞はスタートで躓いて最後方を進み、向こう正面では少し行きたがる面を見せた。スタートで躓くと道中のリズムを崩して能力を発揮できない馬が多い。それを克服してレースのラスト3Fは11.8-11.4-11.3秒とゴールに近づくにつれて加速していた。最後は武豊騎手が手綱を緩めていたのだから驚く。今年のメンバーでは能力は抜けている。競馬に絶対はないが、普通に回ってくれば勝つ可能性はかなり高そうだ。武豊騎手はダービー3勝。勝ったときの馬番は5、2、3番で全て内枠。1〜6番枠だと[3-2-1-4]に対し、12番より外枠だと[0-0-0-6]で連対なし(7〜12番枠はなし)。武豊騎手は外枠を希望していたが、内心は内枠だったか。そういった面でこの枠は良さそう。ただ内枠に入ったことで外から被せられる可能性がある。皐月賞の4コーナーで外からローゼンクロイツに迫られたとき手応えが悪くなり、初めて鞭が入った。直線では突き抜けたが、小さい馬だけに外から被せられると怯む面がある。皐月賞はローゼンクロイツがついて来れなかった(ディープが振り切った)から良かったが、外から被せられ続けるようだと怯んで手前の替え方がバラバラになって伸びを欠くかもしれない。死角があるとすればそこ。武豊騎手は最初から大外を回すつもりだが、そこを突いてくる馬がいればレースは面白くなる。現時点で想定できるのは出遅れた場合のインティライミか。ただし皐月賞でそういう競馬を経験できたことは大きい。過去の名馬と比較してもトップクラスに位置づけられるディープインパクト。最強伝説はまだ始まったばかりだ。

[7+]インティライミ
京都新聞杯から中2週だが、最終調教は一杯に追って攻めてきた。京都新聞杯は出遅れ気味のスタートで最後方を進んだが、大外を捲くって進出し、最後は捻じ伏せるような強い勝ち方。直線で抜け出してきたときの姿はインパクトがあった。インパクトのあるレースをした馬はG1で通用するというのが持論。昨年の京都新聞杯の勝ちタイムは2分11秒9で今年は2分13秒0と遅く上がり3Fもかなり遅いが、馬場が稍重だったことを考えるとレースのレベルは今年の方が高い。そこで大外を捲くって抜け出したのだから価値がある。皐月賞組との比較はアドマイヤフジがいい物指しで少なくとも皐月賞2着馬とは差はないだろう。まだ最大パフォーマンスを見せていない魅力もある。ディープインパクトと切れ味勝負では敵わないので、前に行って早めにスパートして相手の末脚が不発に終わるケースを狙うか、相手の外にピッタリと併せてストレスを与え続けて消耗させるかのどちらか。ただしディープインパクトは現時点で現役最強かもしれない怪物。インティライミは勝ちに行くことによって大敗することもあり得る。ただそれを怖がっていたらダービー制覇はない。陣営の勝ちに行くというコメントを聞いて、敢えて評価を上げた。競馬ファンが見たいのは力と力のぶつかり合いと高いレベルでの騎手の駆け引き。目黒記念はオペラシチー、金鯱賞はタップダンスシチーが勝ち、陣営のムードは最高潮。厩舎の雰囲気が良くなると馬もイキイキする。勝負事は勢いは重要。ここまでこちらの想定通りに来ているだけにこのまま突き進みたい。相馬眼的な裏づけもある。

[Home]