宝塚記念
レース展望(1)
春のグランプリ宝塚記念。今年は有馬記念でマッチレースをしたゼンノロブロイとタップダンスシチーの一騎打ちムード。果たして人気通り堅く収まるのか、それとも伏兵がアッと言わせて波乱になるのか。グランプリに相応しい見どころのあるレースを期待したい。過去10年で1番人気は[6-2-0-2]で8連対。連対を外した2頭はともに関東馬で95年のサクラチトセオーはファン8位で単勝4.4倍の押し出された人気馬、03年のシンボリクリスエスはファン投票1位だったが休み明けだった。1番人気はこのパターンに該当しなければ信頼度は高い。
過去10年の馬連は10倍台までが8回と堅く収まる傾向。G1実績馬同士でガチガチになることもあるが、1番人気の相手に4〜6番人気が来るケースが目立つ。過去10年の連対馬20頭のうち19頭が前走3着以内。例外は春天5着のマヤノトップガンだが、前年の年度代表馬だった。過去5年の連対馬10頭の前走は春天3着以内5頭、金鯱賞2着以内4頭、安田記念2着以内1頭で3レースの好走馬に限られる。今年の該当するのは春天3着のビッグゴールド、金鯱賞1着のタップダンスシチー、同2着のヴィータローザ、安田記念2着のスイープトウショウ。
ロブロイとタップは昨年の宝塚記念で対戦し、タップ1着、ロブロイ4着だった。結果はタップが0.5秒差をつけて完勝だったが、ロブロイは直線でシルクフェイマスが内に寄れた煽りを受けて立て直す大きな不利があった。スムーズなら差は詰まっただろう。ロブロイは本格化する前でもあった。昨年の有馬はロブロイ1着、タップ2着。ロブロイは本格化して秋天とJCを連勝。G1を激走したストレスはあったが、調子はキープできていた。それに対しタップは海外遠征明け。当日のパドックの雰囲気は良かっただが、急仕上げで完調ではなかった。
今回は金鯱賞を楽勝したタップに対し、ロブロイは休み明け。有馬記念のときとは立場が逆転するが、ロブロイはかなり乗り込まれているので、有馬記念で海外遠征明けだったタップとは違う。ロブロイは休み明けで[1-2-0-0]。調子のブレの少ないタイプで神戸新聞杯1着、日経賞2着、京都大賞典2着と結果を出している。タップは叩き2戦目は[3-2-0-0]で連対率100%。JCと宝塚を制したのもこのパターンだった。どちらも譲らない。今回も真っ向勝負だろう。藤沢和厩舎と佐々木晶厩舎の対決が見モノだ。
03年の宝塚記念は前年の有馬記念を制し年度代表馬に選ばれたシンボリクリスエスがファン投票1位で1番人気に支持された。金鯱賞を制して臨んだタップは4番人気。レースはクリスエスが早めに内から上がって行くとタップも動いて外から上がって行き、直線は激しい叩き合いになったが最後は2頭とも失速し、タップが3着、クリスエスが5着に敗れた。レースは後方から差してきたヒシミラクルとツルマルボーイで決着し馬連万馬券。2頭が強引な競馬をしたことで差し追い込みを誘発したが、それだけではない。
レース当日は気温がかなり上がり、前日に雨が降った影響で競馬場は蒸し返していた。シンボリクリスエスは黒鹿毛。パドックでいつもより後脚の踏み込みが少し浅かったのは久々のせいか、それとも暑さのせいか。この日の阪神は馬場が乾くにつれて外を通った馬しか伸びなかった。クリスエスは伸びない内ラチ沿いを通り、内ラチを頼って走るのが好走パターンのタップは佐藤哲騎手が馬場を考慮して真ん中あたりを進んだ。人気馬が負けて波乱になった宝塚記念。今年のレースを考える上で参考になる。
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