宝塚記念
相馬眼予想

阪神は晴れ、芝は良馬場。雨の心配はなさそうだ。開幕週の先週は芝丈が長く、時計が掛かっていた。今週のJRA発表の馬場情報では先週より芝丈は少し短くなり、見た目も少し短くなった感じはあるが、引き続き時計は掛かっている。時計が掛かるのは芝丈が長いこともあるが、各騎手のコメントを総合すると馬場自体が力のいる状態のようだ。土曜のメインを勝ったタニノマティーニは昨夏の函館で3連勝した馬。2着のアグネスシラヌイは渋った馬場など力のいる馬場を得意にしている。

土曜に行われた芝戦は5レースで連対馬10頭の脚質は逃げ3先行3差し4追込0で前に行った馬が目立った。ただし10Rの京橋特別では前5F60.4秒の平均ペースで中団より少し前につけた差し馬2頭で決着。0.3秒差の4、5着は追い込み馬だった。前に行った馬が有利だが、展開によっては差し追い込みが決まるといった印象。少し脚捌きに硬さのある馬の好走が目立っていたが、力のいる馬場と関係がありそう。地面にダイレクトに力を伝えれるという点がいいのかもしれない。

力のいる状態で時計が掛かるというのが今年の馬場。京橋特別を勝ったトウカイトリックは428キロと馬格はないので、大きい馬=力のいる馬場をこなすということではない。今年の出走馬でこれにマッチするのはタップダンスシチーとゼンノロブロイ。タップは03年の金鯱賞(稍重)とJC(重)を勝っている。ロブロイは昨年の秋天(稍重)とJC(荒れ馬場)を勝ったように本格化してからは馬場は問わなくなった。脚質は別にして走法でマッチするのはスイープトウショウとハーツクライ。どちらもガニ股走法だが、前捌きがイメージに合う。

あとは03年に力のいる函館と札幌で計3勝したシルクフェイマス。絞るとこの5頭。あとは時計の掛かるのはプラスのトウショウナイトとビッグゴールド、JCで荒れ馬場をこなしたコスモバルク、パワータイプのサイレントディールなどだが、その他の馬もそれなりに力のいる馬場はこなす。スティルインラブとアドマイヤグルーヴは牝馬だが、坂路で楽に好時計を出すようにパワーを秘めている。その他の馬はそんなにこだわらなくてもいいかもしれない。ここではマッチする5頭を重視する。

次に展開だが、逃げるのはビッグゴールド、コスモバルク、タップダンスシチーのいずれか。3頭とも最初から逃げたくはないようだ。バルクの最終調教では佐々木晶厩舎のカゼニフカレテが先導役を務めた。同じコスモのサンビームを管理している佐々木晶厩舎。今回の展開についてこの2陣営はそれなりに話をしていそう。また、バルクの作戦は決め打ちせずに展開によって柔軟に対応していくことになったようだ。タップはスタートして内に切れ込みながら各馬の出方を窺い、誰も行かなければ自分が行くのだろう。

ビッグゴールドは逃げたくはないようだが、内枠を引いたのでそれなりに行かないと馬群に包まれるのでので、最初はポンと出て各馬の出方を窺うのだろう。3頭とも行かないようだと大阪杯で逃げたサイレントディールがハナを切る可能性もある。流れが遅ければタップが動いて行きそうなので、ペースは平均程度か。バルクが掛かって行けばペースは速くなる。タップにとって一番嫌なのは自分がハナを切った後にバルクが掛かってきたときだろう。どちらも大排気量タイプ。競るようだと消耗する。

ビッゴゴールドの和田騎手は宝塚記念をテイエムオペラオーで1番人気を2回経験している。史上最多のG1-8勝がかかった01年の宝塚記念では岡部騎手のダイワテキサスにずっと外からマークされ、4コーナーで外に出せずに脚を余して負けた。今回は1番人気のタップには楽に勝たせないという競馬をしてきそうだ。ビッグのここ3戦をみると緩急をつけられる(鞍上の指示に従える)ので、道中でタップを突っついて早めにペースアップさせる作戦か。タップは最後の直線で内ラチを頼るので、春天のように4コーナーでタップの内に潜り込めないかと画策しているはず。

タップはこれまでのような競馬ができれば能力的にあっさりもある。ただ今回は断然の1番人気で前が残りやすい馬場傾向(各騎手の意識が前に向く、自然とスパートが早くなる)というのが足かせになる可能性も秘めている。それに対しロブロイはタップをマークして進められる。ロブロイを知り尽くしているペリエ騎手ならさらにいいが、デザーモ騎手は神戸新聞杯で当時のベストパフォーマンスを引き出した騎手で相性は悪くない。展開は自在性のあるロブロイに向くとみる。

タップに厳しい流れを想定した場合に狙いたいのは差し追い込み馬。馬場と走法がマッチするスイープトウショウとハーツクライに注目したい。スイープトウショウはG1レースらしかった安田記念の内容を評価。斤量規定が変わってから初めての牝馬による連対で秋華賞を1分58秒台で勝った馬は牡馬に通用するということを証明した。ダンシングブレーヴの血は阪神で激走がある。ハーツクライは攻め馬をさらに強化してきたので、そろそろ激走がありそう。ダービー2着の後にドン底を味わったが、輝きはまだ失せていない。

あとは昨年2着のシルクフェイマス。昨年は馬体が大きく減って発汗していたが、4コーナーでは四位騎手が股の間から後ろを見る余裕があった。今年は天気に恵まれず惨敗が続いたが、前走の金鯱賞で良馬場ならやれることを証明した。左回りは内にもたれるし、苦手とするスローの上がり勝負だったので3着なら悪くない。連勝していた昨年の勢いはないが、速いペースで消耗戦になれば持ち味を生かせるはず。

その他の馬はほとんどが横一線。本格化してきたビッグゴールドとトウショウナイトが気になるが、前々の競馬でタップ相手にどこまでやれるか。サンライズペガサスは得意の阪神コースだが、激しいレースで抜け出してくる底力がまだ備わっているかどうか。リンカーンは昨年は武豊騎手が絶好のタイミングで仕掛けてきたが、今年は福永騎手。馬はややピークを過ぎた印象も少しある。アドマイヤグルーヴとスティルインラヴは差す競馬をすればそこそこやれそうだが、切れ味ではハーツクライとスイープトウショウが上。位置取りの差で流れ込めるか。オッズ的に押さえてもいいが、ここでは5頭にまとめることにした。

本命はゼンノロブロイ。シンボリクリスエスは5着に敗れたが、ロブロイは5歳でキャリアが違うし、陣営もそのときの教訓を生かして仕上げてきている。展開的にも有利に思えるので、タップより上位にした。対抗はタップダンスシチー。実力的にあっさりもあるが、今回は展開が気になる。あとはスイープトウショウ、ハーツクライ、シルクフェイマスの順。馬券は馬連◎−○▲△を本線に馬連◎−注、○−▲△。3連複は5頭ボックス。3連単を買うなら◎1頭軸マルチ○▲△注。

◎ゼンノロブロイ
○タップダンスシチー
▲スイープトウショウ
△ハーツクライ
注シルクフェイマス

[パドック診断]
○7:ゼンノロブロイ
○6+:タップダンスシチー
▲6:スイープトウショウ
▲6:ハーツクライ
▲6:シルクフェイマス
△5+:トウショウナイト
注5+:スティルインラブ

ゼンノロブロイ馬体の張り&気配とも目立つ、タップダンスシチー馬体は絞れなかったが引き続き好気配、 スイープトウショウ牡馬と比べると見劣るがこういうタイプの馬、ハーツクライ馬体が徐々に戻ってきている、 シルクフェイマス昨年より落ち着きあり気配いい、トウショウナイト馬体の張り目立つ、 スティルインラブ気配はいいときに戻っている・あとは力関係。 阪神芝は8〜10Rを見ると差しが決まるようになってきている。

[レース結果]
1着スイープトウショウ
2着ハーツクライ
3着ゼンノロブロイ

3連複16,320円的中!
3連単178,840円的中!

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