北九州記念
レース展望

夏の小倉の名物重賞。95年にハンデ戦になったが、00年に別定戦に変更された。過去10年で1番人気は[3-2-1-4]で5連対。ただし別定後は1、2、2、1、5着で芝で勝ち星のなかった昨年のユートピア以外は全て連対している。別定になり1番人気は堅実になったが、相手に5〜9番人気が来て中穴決着にることが多い。九州出身の調教師の管理馬が大活躍で現在7年連続で連対中。6番人気以下で連対した8頭のうち6頭がこれに当てはまる。今年は該当する馬が多いが注意したい。

人気になるのはメイショウカイドウ、ヴィータローザ、サイドワインダー、ツルマルヨカニセ、チアズメッセージ。メイショウカイドウは小倉巧者。03年の日田特別を勝ってから小倉芝では[5-1-0-0]でオール連対。唯一負けたのは昨年の北九州記念で勝ったダイタクバートラムとはハナ差だった。当日輸送だとイレ込んで力を出せないが、小倉は滞在できる。休み明けで仕上がりが鍵だが、条件は揃っている。既に小倉記念と小倉大賞典を勝っており、今回勝てば27年ぶりの小倉古馬3重賞完全制覇。鞍上はメイショウカイドウで[3-4-1-2]と相性のいい武豊騎手。

ヴィータローザは宝塚記念は11着に敗れたが、今回はローカルのG3でメンバーはかなり楽になる。芝1800mは[1-0-2-3]だが、3歳時にラジオたんぱ賞を勝っているようにローカルの1800mもこなす。スローの上がり勝負に強い馬で重賞での好走はこのパターン。今回も展開が鍵になりそうだ。橋口厩舎は過去5年の北九州記念で4連対。宮崎県出身の橋口調教師は毎年有力馬を送り込んでいる。鞍上は金鯱賞で2着に持ってきたアンカツ。これまで[2-1-3-1]で複勝率85.7%と好相性。先週の騎乗は復調気配を感じさせた。

サイドワインダーは目一杯に追って仕上げて武豊騎手に依頼した米子Sは7着に敗れた。渋った馬場が影響したが、調教であれだけ追ったのに馬体が8キロ増えていたのは誤算だろう。今回は絞ってきそうだが、当日の馬体重に注意したい。芝1800mは[3-1-0-1]だが、ローカルの1800mは初めて。芝の状態がいいときに走るので開幕週の馬場はいいが、いつもの競馬だと開幕週の小倉で届くかどうか。途中から動いて最後までいい脚を使えればといったところ。福永騎手が騎乗停止のため、角田騎手が騎乗する予定。

ツルマルヨカニセは小倉芝[4-2-1-0]で複勝率100%。小倉芝1800mは[2-2-0-0]で連対率100%。昨夏に1600万条件のサマーSを勝っている。オープン入りしたここ3走は3、5、4着と善戦止まりだが、ベストの条件で前進できるか。鞍上は昨年ダイタクバートラムで制した小牧太騎手。チアズメッセージはマーメイドSを回避して牡馬混合戦を選んだ。距離を考慮しての選択か。領家厩舎は一昨年にミレニアムバイオで制している。3走前のオーストラリアTではツルマルヨカニセと同斤の56キロで2着。今回はツルマルより1キロ軽い55キロ。小倉は初めてだが、斤量は有利になる。

あとはエプソムCは出遅れが響いて惨敗したエリモマキシム、小倉芝[3-4-1-1]の実績があるスパルタクスあたりが続きそう。開幕週で馬場がいいので前に行ける馬が有利だが、ここ数年の北九州記念は騎手心理が微妙に働いてペースが速くなり差し追い込みが決まるケースが目立つ。今年も展開の読みがポイントになりそうだ。仕掛けのタイミングやコース取りなど騎手の腕が問われることも考慮したい。夏場は調子のいい馬を狙うのが基本。最終調教の動き、気配をよくチェックしてから最終決断を下したい。

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