函館2歳S
レース展望

2歳馬最初の重賞競走。過去10年で1番人気は[0-5-0-5]で5連対。94年のダンツダンサー(雨でダ1000mに変更)以降、1番人気で勝った馬はいない。03年は単勝1.8倍のナムラビッグタイムが5着、昨年は単勝1.9倍のディープサマーが2着に敗れた。2番人気は[4-1-1-4]、3番人気は[3-1-1-4]で計7勝を挙げている。東西別では関東[2-0-2-41]で連対率4.4%、関西[7-9-7-58]で連対率19.8%。関東馬は10頭が4番人気以内になったが、[0-0-0-10]と不振。今年はアドマイヤカリブがデータを打ち破るか。地方馬は[1-1-1-2]で連対率40.0%。

人気になるのはアドマイヤカリブとチアズガディスの2頭。アドマイヤカリブは昨年のセレクトセールでサクラバクシンオー産駒としては破格の5000万円で取り引きされた馬。新馬戦は馬なりのまま3馬身半差の楽勝。騎乗したデザーモ騎手は絶賛だった。勝ちタイム1分9秒9は、97年の函館3歳Sを勝ったアグネスワールドに0.1秒に迫るもの。開幕週とはいえ、馬なりでこの時計で走るのだから凄い。現時点で真っ向勝負で対等にやれそうのはグランプリシリウス(フェニックス賞出走、武豊騎手)くらいか。何が起こるか分からないのが2歳戦。果たしてアドマイヤカリブに死角はないのだろうか。鞍上は武豊騎手。

チアズガデスは第1回函館初日の新馬戦勝ち馬。スタートダッシュを決めて直線では後続を突き放し3馬身差で楽勝した。母は桜花賞馬チアズグレイス。母も函館初日の新馬戦を勝っている。仕上がり早の牝馬といった印象で現時点での完成度が高く、スピードがある。山内厩舎は過去10年の函館2歳Sで[1-2-0-2]で3連対。昨年ディープサマーが小島太厩舎のアンブロワーズに敗れただけに今年はアドマイヤカリブには負けられない。スケールという点では見劣るが、テンのスピードと器用さで上手く立ち回れば見せ場以上があるかもしれない。鞍上は2年連続連対中の藤田騎手。

あとはラベンダー賞を勝ったホッカイドウ競馬所属のモエレジーニアス、先週の新馬戦を5馬身差で勝ったラッシュライフあたりが続きそう。ダートを勝ってきたディープアイ、ラララウィンパル、アイアムエンジェルはいずれも芝が初めて。過去10年で前走ダートだった馬は[0-2-2-21]で2連対。芝の適性を見抜けるかが鍵。例年より函館の芝コースは荒れていないが、ひと雨降れば一気に悪化する可能性があるので注意したい。内側が荒れてくると枠順の影響もありそうだ。2歳戦の基本は相馬眼。今回も相馬眼的に評価できる馬を中心に狙いたい。

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