クイーンS
レース展望
夏の牝馬限定重賞。古馬に開放されて今年で6年目。過去5年で1番人気は[2-2-0-1]で4連対。唯一連対を外したのは昨年7着に敗れたオースミコスモ。G1連対またはG2勝ちのある馬なら信頼度は高い。2、3番人気はともに[0-0-2-3]で連対なく不振。そのため馬連は10倍以下はなく、30倍前後の中穴決着が多い。脚質別では逃げ馬が4勝と大活躍。開幕週の馬場と直線の短い小回りコースで前に行った馬が残りやすい。年齢別では4歳馬が5連対で毎年連対中。ここ4年3着以内に必ず1頭入っている3歳馬にも注意。
人気になるのはダンスインザムード、デアリングハート、エルノヴァ、チアフルスマイル。ダンスインザムードは安田記念で最下位の18着に敗れた。直線で挟まれる不利があったが、直線入り口で既に手応えがなかったのも事実。桜花賞馬でマイルはこなすが、脚の回転が早くなくゆったりと走るタイプなので、徐々に短い距離が合わなくなってきているのだろう。今回は牝馬同士でメンバーは大幅に楽になる。57キロは厳しいが、これまでファインモーション(58キロ、2着)、テイエムオーシャン(59キロ、3着)とG1馬は斤量をこなしている。あとは陣営のやる気と仕上がり次第か。鞍上は藤田騎手。
デアリングハートは桜花賞3着、NHKマイルC2着と春のG1で好走。エルフィンSでは馬体が412キロまで落ち込んだが、その後強い調教をしているにも関わらず一戦ごとに体重が増えてきたのは相当に芯が強い証拠。小柄な馬だが、坂路では凄い動きをする。これまでマイルまでしか経験はないが、東京マイルをこなすなら小回り1800mくらいは何とかなるか。今回は春より3キロ軽い52キロ。今年の3歳馬はレベルが高いが、初の古馬との対戦でどんな結果を出すのか非常に興味深い。後藤騎手がわざわざ札幌まで来るのだから勝負掛かりなのだろう。
エルノヴァは昨年の2着馬。昨年は1000万条件を勝った直後だったが、今年は重賞で牡馬に揉まれてさらに地力が強化されている。間隔が空いたので仕上がり次第だが、昨年以上のレースができそうだ。ただ昨年はホワイト騎手が上手く乗った感があるので、今回は北村騎手がいかに捌いて来れるかだろう。チアフルスマイルは徐々に距離を伸ばして前走芝2000mの愛知杯で初めて重賞連対を果たした。札幌芝は[3-0-0-1]の得意コース。差しタイプなので、多頭数をどう捌いてくるかが鍵だが、その点で横山典騎手は魅力。
あとは牝馬重賞路線で善戦してきたレクレドール、休み明けの1000万条件を楽勝したヤマニンアラバスタが続きそう。レクレドールは昨夏の500万条件で直線一気を決めたように札幌の洋芝はこなす。前走のように早仕掛けだと味がないが、ためれば切れる脚を使える。ヤマニンアラバスタは長い距離もこなすが、小回りコースは捲くる競馬で対応できる。7〜9月は[3-1-0-1]で連対率80%。芦毛で夏場はいいのだろう。2頭ともハイペースで前が止まるような展開が理想。少し展開の助けがあれば突っ込みがありそうだ。
昨年の函館2歳Sの勝ち馬アンブロワーズ、3連勝中のコアレスパティオ、函館で連勝してきたディアチャンスなど伏兵も多い。02年のミツワトップレディ(7人気)、エルノヴァ(6人気)は前走条件戦をステップに連対したように夏は格より調子を重視する手もある。春から使われてきた馬はそろそろ疲れが出る時期。逆に休養明けの馬はこの時期にどれくらい仕上がってくるかが鍵。夏場のレースはみなそうだが、状態面の見極めが大きなポイントになる。調教の動き、気配をよくチェックして最終決断を下したい。この時期、3歳馬は一変があるので注意。
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