エルムS
レース展望
夏場唯一のJRAダート重賞。以前はいかにも夏のローカルG3といった感じのレースだったが、最近は出走馬が揃い、レースのレベルが高くなった。一昨年はアドマイヤドン、昨年はパーソナルラッシュが勝ち、その後G1を制している。過去10年で1番人気は[3-3-1-3]で6連対。ここ4年はエンゲルグレーセ1着、プリエミネンス1着、アドマイヤドン1着、ウインデュエル2着と全て連対。別定戦で実力馬が有利。極端な人気薄の連対はなくそれほど荒れない。マリーンSで3着以内に好走した馬は[3-2-1-2]で連対率63%。97年から5年連続で連対するなど活躍が目立つので注意。
人気になるのは、ハードクリスタル、パーソナルラッシュ、サカラート、サイレントディール。ハードクリスタルは根岸S2着以降、直線で伸び切れないレースが続いていたが、前走のマリーンSでは直線で弾けて2馬身半差で快勝した。叩き3戦目でようやく本来のデキに戻った印象。昨夏の北海道で力をつけたが、やはりダ1700mが合うのだろう。今回も斤量は56キロだし、前走のような競馬ができれば好勝負できそうだ。横山典騎手は今開催の札幌で[11-12-6-18]で連対率48.9%。ダートだと[6-5-3-6]で連対率55.0%、復調率70.0%と凄い数字。
パーソナルラッシュは昨年の覇者。ダートで6連勝中で単勝1.2倍のウインデュエルを寄せ付けなかった。その後はダービーGPでG1制覇。米BCクラシックでは6着に善戦した。今回は休み明けだが、ここを目標に乗り込みは十分。過去の休み明けは2戦2勝と結果を出している。課題はやはり斤量59キロか。過去10年で59キロを背負った馬は[2-0-0-3]。2番人気以内だと[2-0-0-1]でタイキシャーロック1着、アドマイヤドン1着、イーグルカフェ10着。その後のダートG1で活躍できる馬なら斤量はこなすとみるのが正解か。鞍上は12勝で札幌リーディングを走る藤田騎手。スタートを決めれば。
サカラートは東海SとブリーダーズGCを連勝。重賞では善戦止まりだったが、長距離で新味を出した。今回は距離が短くなるが、ダ1700mは昨年の名古屋城Sで3馬身差の圧勝がある。元々ダ1400mを走っていた馬でスピードはあるし、充実した今なら対応可能か。脚抜きのいい馬場はプラス。課題は斤量58キロ。サイレントディールは札幌記念は出遅れて見せ場なく惨敗した。ダートではフェブラリーS2着、武蔵野S1着の実績があるので侮れない。小回りのダ1700mがどうかというのはあるが、力で何とかするか。鞍上は今週から復帰する武豊騎手。
あとはJCダート3着の実績があるジンクライシス、長期休み明けをひと叩きされたカイトヒルウインド、3歳馬ドンクール、マリーンS2着のマルブツトップ、KBC杯を勝ったエドモンダンテスなど伏兵は多彩。各馬一発の魅力を秘めている。ジンクライシスは春は不振に終わったが、デキが戻っていればここでやれる力はある。早い時期から仕上がっていた外国産馬だが、今夏の函館ではカフェオリンポスが復活したように4歳ならまだ復活の余地はある。札幌ダ1700mは小回りで前に行った馬が残りやすいコース。前残りで穴になるので注意したい。
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