ﾛｰｽﾞS
ﾚｰｽ展望
秋華賞ﾄﾗｲｱﾙ｡過去10年で1番人気は[3-1-2-4]で4連対｡本番前の一戦で既に出走権のある実績馬は目一杯に仕上げず､ﾚｰｽでもﾄﾗｲｱﾙの競馬に徹することが多い｡これが波乱要因のひとつ｡過去10年で休み明けの実績馬同士で決着したことはない｡ｵｰｸｽ連対馬は[0-1-1-6]で1連対のみ｡03年は2冠馬ｽﾃｨﾙｲﾝﾗﾌﾞが5着､昨年はｵｰｸｽ馬ﾀﾞｲﾜｴﾙｼｴｰﾛが7着､2着馬ｽｲｰﾌﾟﾄｳｼｮｳが3着に敗れた｡春の実績馬は人気になるが､それほど信頼できない｡夏の条件戦で好走した上がり馬が穴をあけている｡
人気になるのはﾗｲﾝｸﾗﾌﾄとｴｱﾒｻｲｱ｡ﾗｲﾝｸﾗﾌﾄは桜花賞､NHKﾏｲﾙCを勝ち､変則2冠を達成｡今回のﾒﾝﾊﾞｰでは実績断然だが､1600mを超える距離は初めて｡ｵｰｸｽを回避してNHKﾏｲﾙCを使った経緯があるだけにやはり距離をこなすかどうかが最大のﾎﾟｲﾝﾄ｡陣営が使う以上は距離はｷﾞﾘｷﾞﾘ持つと見ているのだろうが､果たしてどうだろう｡3歳のこの時期なら地力で何とかならなくもないが･･･｡北海道からの輸送で馬体がｶﾞﾚた影響はどうなのだろう｡陣営と鞍上のﾄﾗｲｱﾙでのやる気度合いもﾎﾟｲﾝﾄ｡
ｴｱﾒｻｲｱはｵｰｸｽ2着馬｡武豊騎手の絶妙な手綱捌きでｼｰｻﾞﾘｵを最後まで苦しめた｡自在に立ち回れるﾚｰｽぶりは見事だったし､今後もこれは大きなｱﾄﾞﾊﾞﾝﾃｰｼﾞになる｡ﾃﾞｰﾀ的にｵｰｸｽ連対馬は不振だがｸﾘｱできるか｡阪神芝ｺｰｽは2戦してﾌｨﾘｰｽﾞﾚﾋﾞｭｰ3着､桜花賞4着｡直線の坂が微妙に影響している感じがなくもないが､馬が成長してﾊﾟﾜｰｱｯﾌﾟしていればこなせるはず｡母ｴｱﾃﾞｼﾞｬﾌﾞｰは桜花賞3着､ｵｰｸｽ2着､秋華賞3着｡秋華賞前のｸｲｰﾝSは1着だった｡伊藤雄厩舎がどこまで仕上げてくるかが鍵｡
あとは人気は割れそう｡ﾗｲﾗﾌﾟｽは先週の紫苑Sを視野に入れていたが､坂路の動きは絶好という感じではなかった｡最終調教の動きに注目したい｡G1では惨敗したが､ｽｲｰﾄﾋﾟｰSではｺｽﾓﾏｰﾍﾞﾗｽ(紫苑S1着)を負かしている｡ｴｲｼﾝﾃﾝﾀﾞｰは骨折明け｡桜花賞は本調子ではなく6着｡､ｵｰｸｽは逃げて4着と見せ場を作った｡阪神ではﾁｭｰﾘｯﾌﾟ賞を勝っている｡元々弱い部分のある馬だけに仕上がりが鍵｡春のｸﾗｼｯｸを歩んできたｴﾘﾓﾌｧｲﾅﾙとｼﾞｮｳﾉﾋﾞｸﾄﾘｱはどこまで成長したか｡
夏の条件戦を勝ってきた馬では2戦2勝ｻﾝﾚｲｼﾞｬｽﾊﾟｰに注目｡ｹﾞｰﾄ難でﾃﾞﾋﾞｭｰが遅れたが､7月の未勝利戦で経験馬を相手に後方から捲くって最後は力で捻じ伏せた｡2戦目は中団を進み､直線で外に出して差し切り勝ち｡いい脚を長く使えるし､勝負根性もある｡高橋成厩舎で鍛えられて芯が強そうだ｡鞍上の難波騎手は01年にﾃﾞﾋﾞｭｰしてここまで51勝｡重賞は7戦して03年小倉記念ﾒｲｼｮｳﾄﾞﾒﾆｶの7着が最高｡阪神芝2000mは[0-1-0-6]で未だ未勝利｡馬は相馬眼的に評価できるﾚﾍﾞﾙにあるが､難波騎手がどう乗るか｡武豊騎手の後ろをﾋﾟｯﾀﾘとﾏｰｸできれば面白そうだ｡
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