武蔵野S
レース展望

ジャパンCダートの前哨戦。01年に1分33秒3のレコードで勝ったクロフネは続くジャパンCダートも制した。昨年はマイル前後が得意な馬がほとんどだったが、今年はここを勝ってジャパンCダートに繋げたい馬が出走してきた。本番前にどんなパフォーマンスを見せてくれるだろう。距離が1600mになった過去5年で1番人気は[2-0-0-3]で2連対。クロフネとサイレントディールは勝ったが、ゴールドティアラ5着、ハギノハイグレイド6着、エコルプレイス13着と負けた3頭は5着以下に敗れている。3番人気以内の本命決着はなく、馬連は3桁配当がない。連対馬10頭のうち8頭が関西馬。関東馬は人気で不振なので注意。

カネヒキリはダートでは無敗でここまで6戦6勝。圧倒的に強い競馬を続けており、ダート版ディープインパクトと呼ばれている。馬主、武豊騎手も同じだ。ダートの近5走の単勝オッズは1.3倍、1.2倍、1.1倍、1.1倍、1.0倍とこちらもディープインパクト級。先週はディープが3冠を達成しただけに今回もかなり人気を集めそうだ。初の古馬との対戦になるが、これまで見せたパフォーマンスを考えれば通用していい。斤量57キロは有利ではないが、ユニコーンSで今回と同コースを勝っているのは心強い。ただし今週は各騎手とも容赦なく負かしにくるはず。本当の競馬は甘くはない。馬に死角はないのだろうか。

サンライズバッカスはダートで5戦4勝2着1回。ダービーGPは直線でカネヒキリに何とか食らいついたが、ストライドの大きさの違いで最後に突き放された。ただ初めての重賞挑戦でこれだけやれれば上々。前走は同斤量だったが、今回は3キロ差ある。直線の長い東京コースはどちらに有利に働くのだろう。鞍上は強い馬がいると燃える佐藤哲騎手。どんな策を持って臨むのか。アジュディミツオーは日本の代表としてドバイWCに出走。結果は6着だった。前走の日本テレビ盃は休み明けでサカラートの3着。距離1600mは短いが、東京コースなら何とかなるか。鞍上は内田博騎手。カネヒキリに真っ向勝負を挑みそうだ。

トウショウギアは2月に復帰してから6戦4勝で前走はオープン特別の越後Sを勝った。距離は1200〜1400mがベストだが、3走前に東京ダ1600mを勝っているし、今は折り合いがつく。田中勝騎手がどんな競馬をするのか楽しみだ。サイレントディールは近走不振だが、一昨年の勝ち馬で今回はそのときと同じペリエ騎手。フェブラリーS2着もあるし、このコースを得意にしている。馬場など条件が揃えば面白そうだ。ドンクールは使われながら調子を上げており、前走のエニフSは2着。対カネヒキリで分は悪いが、ユニコーンSの斤量差が今回は逆転する。ウインデュエルを負かした前走は強い内容だった。鞍上は後藤騎手。

あとは休み明けをひと叩きされたヒシアトラス、シリウスSでダートに目処を立てたマイネルモルゲン、大沼Sで復活したカフェオリンポスなど、伏兵は数多い。ダートは芝ほど馬場に左右されにくいが、馬場状態やレース傾向は無視できない。ここまで3週のダート戦の傾向と当日のダート状態からどの馬に有利に働くのかを見抜く必要がある。そのためには各馬の走法や特徴をイメージできるようにしておきたい。競馬は日々の積み重ね。それによってあっと驚くような穴馬が浮かび上がってくるときがある。人気は競馬新聞や他人が作るもの。人気に惑わされない本質を見抜く目を持ちたいものだ。

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