東スポ杯2歳S
レース展望

出世レースとして知られる東京芝1800mの2歳重賞。このレースを勝った馬はその後に故障することが多く、ここ5年の勝ち馬は全て故障している。今年もその点が気掛かりだが、まずまずのメンバーが揃った印象。過去10年で1番人気は[4-1-2-3]で5連対。関西馬は[4-0-1-0]で4勝を挙げているが、関東馬は[0-1-1-3]で1連対と不振。昨年4着に敗れたエアサバスは関東馬だった。過去10年のうち7年が5番人気以内の決着で、馬連は8年が20倍台までに収まっている。芝1600m以上で勝ち星のある人気馬が結果を出す傾向が強くそれほど荒れない。

人気になるのはフサイチリシャール、オンファイア、ニシノイツマデモの3頭。フサイチリシャールは父クロフネ、母フサイチエアデールで松田国厩舎ゆかりの血統。新馬戦は仕上がり途上でマルカシェンクに負けたが、未勝利戦とオープン特別の萩Sを連勝した。どちらもスローの上がり勝負での逃げ切り。萩Sはラスト2F目に11.1秒で後続を突き放したところを評価したい。今回は今後に向けて差す競馬をするようだ。福永騎手は先週の京王杯2歳Sでイースターに騎乗して直線で脚を余した。フサイチリシャールは飛びが大きいのでスムーズに進められるかががポイント。福永騎手の腕に懸かる。

オンファイアはディープインパクトの全弟。兄とは違ったタイプだが、馬体の作りは相馬眼的に評価できるレベルにある。新馬戦は大きく出遅れて後方からメンバー最速の34.3秒で追い込んできたが、重馬場とスローペースが影響して3着に敗れた。2戦目は中団の後ろを進み、直線で外から楽々と抜け出して3馬身差で圧勝。1回使ったことでパドックの気配が変わり、レースでも走りに余裕があった。今回は一気にメンバーが強化されるが、東京コースを2回使ったのは強み。来年のダービー出走に向け、賞金を加算したい。鞍上は横山典騎手に乗り替わる。

ニシノイツマデモはニシノドコマデモの半弟。兄はこのレース3着だった。兄より馬格があり、陣営の期待は大きい。新馬戦は途中から捲って先頭に立ち、直線で後続を突き放して5馬身差で圧勝。馬体には少し余裕があったが、前評判通りの強さだった。2戦目のいちょうSは中団から伸びてきたが、藤沢和厩舎のジャリスコライト(アグネスデジタルの半弟)に差されて2着。相手の切れ味が一枚上だった。負けはしたがラスト3F33.7秒と切れる脚を使えたのは収穫。今回は後藤騎手も乗りやすいはず。ニシノイツマデモの走りでジャリスコライトとオンファイアの力関係が分かりそうだ。

あとはきんもくせい特別を勝ったリメインオブザサン、野路菊Sを勝ったメイショウサムソンが人気面で続く。リメインオブザサンは出遅れ癖があるのでスタートが鍵。ここまで3戦とも上がり3Fがメンバー3位の36.1秒というのが面白いが、最後はまだ余裕があったので上がりは詰められそう。メイショウサムソンは前走はスローの上がり賞でフサイチリシャールに負けたが、流れが変われば違った競馬になりそう。野路菊Sでは終始外を回ってデンシャミチに0.4秒差をつけた内容は悪くない。今週から東京はB→Cコースに変更される。当日の馬場傾向も考慮したい。

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