ジャパンC
レース展望

日本馬12頭、外国馬6頭。外国馬は有力馬の回避が相次いだが、レーティング的には例年くらい揃った印象。日本馬は昨年の年度代表馬ゼンノロブロイを筆頭にG1馬はタップダンスシチー、スズカマンボ、ヘヴンリーロマンスの4頭。最近2年は日本馬が3着まで独占しているが、今年の外国馬はどうだろう。注目はゼンノロブロイ、ハーツクライ、アルカセットの3頭。ゼンノロブロイは前走の天皇賞(秋)は海外遠征明けで少し筋肉が落ちている感じがあったが、1回使って馬体の張りが良くなり、調子を上げてきた。4歳の昨年がピークだった可能性もあるが、今の仕上がりなら昨年に近いレースができそう。

昨年の勝ち馬、1番人気、英インターナショナルSで強い競馬をしたことによって外国馬にマークされそうだが、底力と自在性があるので、どんな競馬になっても簡単には崩れない。東京芝コースは[3-2-0-0]、芝2400mは[2-2-0-0]でともに連対率100%。舞台に不足はない。ただしこれまで何頭もの馬に差されたように競り合いに強くない。道中マークしてゴール寸前で差すような競馬をされるとモロいところもある。鞍上はデザーモ騎手。日本にいて色々考えて乗るとどうも勝負弱いところがあるので、来日してすぐに騎乗するのはプラス。春の来日週は[6-3-0-5]で連対率64.3%だった。

ハーツクライは大阪杯2着、宝塚記念2着と徐々に復活してきた。天皇賞(秋)は不向きな展開で中団から32.8秒で6着まで追い上げた。32.8秒で5着のスイープトウショウがエリザベス女王杯、メンバー最速の32.6秒で7着のハットトリックはマイルCSを制した。ハーツクライは直線で前を捌くのに苦労したので、まともなら上がりはもっと詰まったはず。休み明けでも仕上がりは良かったが、坂路の動きは絶好調時のものではなかったのでまだ上積みが見込める。先週はCコース変更で内が伸びる馬場だったが、最終週で外差しに変わらないか。宝塚記念ではゼンノロブロイに不利があったとはいえ差し切っている。

アルカセットは硬い馬場の適性があるため、早くからジャパンCを目標にしてきたようだ。これまで15戦して[5-7-0-3]で連対率80%、芝2400mは[4-5-0-0]で連対率100%。今年5歳を迎えて本格化し、コロネーションC(G1)2着、サンクルー大賞典(G1)1着、フォア賞(2着)と堅実に走っている。前走は5着に負けたが、初の2000mだった。サンクルー大賞典では昨年のジャパンC4着馬ポリシーメイカーに2馬身差で勝ち初G1制覇。持ち時計が遅いので日本の高速馬場に対応できるかどうかは未知数だが、反応の良さや走法からこなしていい。父は日本で実績のあるキングマンボ。相馬眼的にも魅力を感じる。鞍上はデットーリ騎手。

あとは天皇賞(秋)の勝ち馬ヘヴンリーロマンス、天皇賞(春)の勝ち馬スズカマンボ、外国馬では昨年の欧州年度代表馬ウィジャボード。ヘヴンリーロマンスはスローの上がり勝負で勝ったが、ハイペースの消耗戦にも強いタイプ。過去10年の天皇賞(秋)勝ち馬は[3-2-2-3]で最近6年は3着以内を確保。勢いがあるだけに侮れない。4、5着という気もするが・・・。スズカマンボは休み明けはイレ込むがひと叩きすると一変するタイプ。天皇賞(春)も叩き2戦目だった。ウィジャボードはファロン騎手が日本で重賞勝ちがないのが気になるが、最終追い切りの動きが目立つようなら少し注目したい。今年はまだ3戦しかしていない。

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