競馬アナリストGM
有馬記念
レース展望(1)

ファン投票で選ばれた馬たちによるドリームレース。今年の出走馬はフルゲート16頭。無敗の3冠馬ディープインパクトが初めて古馬と対戦する。迎え撃つ古馬は昨年の年度代表馬ゼンノロブロイ、宝塚記念&ジャパンC2着馬ハーツクライ、昨年の菊花賞馬デルタブルース、一昨年の有馬記念2着馬リンカーン、G1-2勝の古豪タップダンスシチー、春の天皇賞馬スズカマンボ、秋の天皇賞馬ヘヴンリーロマンスなど多士済々。ファンの夢を乗せてディープインパクトが頂点に立つのか、それとも古馬が意地を見せるのか。今年最後の大一番。力と力がぶつかり合う熱いレースを期待したい。

過去10年で1番人気は[5-1-0-4]で6連対。連対を外した4頭は前走ジャパン2着のヒシアマゾン(牝4)5着、菊花賞1着のセイウンスカイ(牡3)4着、ジャパンC2着のテイエムオペラオー(牡5)5着、エ女王杯1着のファインモーション(牝3)5着。ジャパンCで激走した馬、3歳馬、牝馬は不振傾向。3歳馬が1番人気で勝ったのは94年のナリタブライアン(3冠馬)までさかのぼる。1番人気で勝つのは簡単ではないが、過去10年で3歳馬は[5-1-2-29]で5勝を挙げている。勝ったのはマヤノトップガン、シルクジャスティス、グラスワンダー、マンハッタンカフェ、シンボリクリスエス。3歳馬は斤量面のアドバンテージがある。

2番人気は[1-2-1-6]で3連対、3番人気は[1-3-1-5]で4連対、4番人気は[2-1-1-6]で3連対。連対馬20頭のうち16頭が4番人気以内で馬連は10年のうち7年が4番人気以内で決着している。そのため馬連は10倍台までが6回と堅く収まることが多い。ただし01年と02年に13番人気が連対して万馬券になったように時々人気薄の前残りで波乱になる。昨年は1番人気ゼンノロブロイ、3番人気タップランスシチーで決着して馬連は12.4倍と堅かったが、3着に9番人気シルクフェイマスが入り、3連単は247.6倍ついた。高配当狙いなら3連単が妙味。

有馬記念はG1戦線を歩んできた馬たちによるサバイバル戦になる傾向が強い。古馬はG2前哨戦→天皇賞(秋)→ジャパンC、3歳馬はトライアル→菊花賞→ジャパンCと過酷なローテーションで臨んでくるのが例年のパターン。ただし今年の古馬は秋2戦しかしていない馬が多い。天皇賞(秋)はスローの上がり勝負だったが、ジャパンCはハイペースで2分22秒1のレコード決着だった。ジャパンC5着のウィジャボードは香港ヴァーズを勝ったが、激走した馬たちはストレスが気になるところ。唯一の3歳馬ディープインパクトは秋2戦のみ。今年もタフさ、フレッシュさが問われそうだ。

中山芝2500mはスタートしてすぐに大歓声が起きるスタンド前に向かうため、そこで折り合えるかどうかが大きなポイント。一昨年はアクティブバイオとザッツザプレンティが掛かったように折り合いを欠くと苦しくなる。大歓声に動じない精神力が求められる。あとはスピードとスタミナ。中山芝2500mは内回りコースでペースは上がりにくいが、連対馬は芝2000mをこなすスピードのある馬が多い。02年に連対したシンボリクリスエスは天皇賞(秋)、タップダンスシチーは朝日CCをレコード勝ちしていた。2500mをこなすスタミナも必要だが、スピードが問われることも考慮したい。

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