共同通信杯
レース展望
過去10年でメジロブライト、エルコンドルパサー、イーグルカフェ、ジャングルポケットなどのG1馬を出している出世レース。最近4年はG1馬は出ていないが、今年は朝日杯FSを勝ったフサイチリシャールを筆頭に重賞勝ち馬が3頭と好メンバーが揃った。今年のクラシックを占う上で重要なレースになりそうだ。過去10年で1番人気は[6-1-0-3]で7連対。重賞連対がある馬は[5-1-0-1]で唯一連対を外した03年のタイガーモーションは単勝4.5倍で押し出された人気馬だった。人気に実績が伴った馬なら信頼度は高い。
2番人気は[0-1-1-8]で1連対、3番人気は[1-2-1-6]で3連対と不振。馬連は1番人気が堅実なため、10倍以下5回、10倍台2回と堅く収まることが多い。99年に馬連10万馬券が出たが、重賞未経験馬が1番人気でメンバーのレベルが低かった。重賞実績馬が揃うと堅く収まる傾向が強い。連対馬20頭全てが前走1600m以上に出走しており、18頭に1800m以上の経験があった。紛れが少なくタフな東京芝1800mで距離の経験が問われる。重賞、オープンでの実績を重視したい。
フサイチリシャールは新馬戦はマルカシェンクに敗れたが、未勝利戦を勝つと4連勝で朝日杯FSを制した。一戦ごとに坂路の動きが良くなり、フットワークに切れが出てきた。同じ松田国厩舎のキングカメハメハも坂路の動きが変わったが、そのときと雰囲気が似ている。ただキングカメハメハが3歳春に充実したのに対し、フサイチリシャールは2歳秋に仕上げられた。そこが違うが成長力のない血統ではないので問題なしか。春は皐月賞、NHKマイルC、ダービーをブッコ抜くつもりのようだ。そのために皐月賞まで間隔のあるこのレースを選んだのだろう。
東京芝1800mは東スポ杯2歳Sを勝っているが、そのときは内を通った馬が有利な馬場で楽逃げだった。今後のG1を考えると控える競馬で結果を出したいはずだが、テンのスピードがあるのでハナを切ることになるかもしれない。東スポ杯2歳Sのラスト5Fを59.0秒、3Fを34.0秒(11.6-11.0-11.4秒)で乗り切ったようにスピードの持続力はかなりのものがある。競馬に行って自分の力を出し切るタイプなので、よほど変な展開にならない限りは大きく崩れることはないだろう。他馬の末脚を地力で抑え込むか。
アドマイヤムーンは3連勝で札幌2歳Sを制し、休み明けで臨んだたんぱ杯2歳Sはサクラメガワンダーに差されてハナ差の2着。直線で内の馬を交わした時点で本田騎手は勝ったと思ったのか少し気を抜いた感じがあった。そのぶんの負けだろう。陣営によるとアドマイヤムーンは先頭に立つと気を抜くようだ。夏の北海道では直線で内にもたれていたし、最後までいかにまじめに走らせるかというのが現時点での課題。武豊騎手は当然そのあたりを把握しているので、がどう対策してくるか。
今回は休み明けを使われた後のレースで上積みが見込める。陣営が共同通信杯を使うのは、長距離輸送と東京コースを経験させたいということなのだろう。皐月賞とダービーは長距離輸送を克服しないと勝てない。これまで4戦して最速上がりはたんぱ杯2歳Sの34.8秒。北海道は力のいる馬場だったし、たんぱ杯のときの阪神もパワータイプに有利な馬場だった。かなりの底力を持ってるが、現時点では上がりの早い競馬は未知数。ただ極端な上がりの競馬でなければ対応できるとみる。
ショウナンタキオンは新馬、新潟2歳Sを連勝し、休み明けで臨んだ朝日杯FSはフサイチリシャールと0.5秒差の4着。休み明けでも仕上がりは良かったが、道中ハミを噛んで掛かり気味だったし、初めての右回りで走りがスムーズでなかった。上がり3Fはメンバー2位の34.1秒と早いが、最後は一杯だった。休み明け2戦目で得意の左回り。この条件でどう変わるか。マッチレスバローは中山芝1600mのひいらぎ賞で大外一気を決めた。まだ強い馬とは戦っていないが瞬発力は相当。切れ味だけならフサイチリシャールを上回るものがあるので注意したい。
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