フェブラリーS
レース展望

ダートマイル王決定戦。G1昇格後9年で1番人気は[4-1-0-4]で5連対。最近4年はアグネスデジタル、ゴールドアリュール、アドマイヤドン、メイショウボーラーが勝っている。2番人気は[1-2-2-4]で3連対、3番人気は[0-2-0-7]で2連対。G1昇格後9年のうち8年で1、2番人気のどちらかが連対しているが、1-2番人気での決着はない。G1昇格後3年は6番人気以下が連対していたが、最近6年の連対馬は全て5番人気以内。人気馬が堅実でそれほど荒れなくなった。そのため馬連は9年のうち6年で10倍台までに収まっている。1番人気が勝った最近4年は10倍前後と堅い。

ダートのG1馬が揃うハイレベルな争いでダート重賞実績のある馬でないと通用しない。ダートG1で好走実績のある馬を重視したい。東西別では関東馬[2-0-5-35]で連対率5%、関西馬[6-8-4-68]で連対率16%と関西馬が大活躍。最近6年の連対馬12頭のうち11頭が関西馬で残る1頭が地方馬。5番人気以内に支持された関西馬が結果を出す傾向が強い。G1昇格後9年の連対馬18頭のうち14頭が前走3着以内、19頭が前走5着以内。例外は04年に東京大賞典7着から巻き返したサイレントディール。前走重賞で5着以内に好走した馬を重視したい。

カネヒキリは昨年のジャパンCダートの勝ち馬。3歳でジャパンCダートを制したのは、01年のクロフネ以来2頭目。ダートでは[7-1-0-0]とまだ底を見せていない。東京ダ1600mはユニコーンSを勝ったが、武蔵野Sではサンライズバッカスに敗れた。ただし当時は斤量3キロ差があり、出遅れるロスがあった。それで0.3秒差なら内容は悪くない。芝のスタートは上手くないようだが、今回はどうだろう。休み明けでの出走になるので、仕上がり具合もポイント。栗東での乗り込みは少ないが、どこまで仕上がってくるか。馬体の成長にも注目したい。フェブラリーSの後はドバイWCに挑戦する予定。

シーキングザダイヤは昨年の2着馬。これまでダートG1で7戦して[0-6-0-1]で2着が6回。昨年のジャパンCダートではゴール寸前まで前に出ていたが、ハナ差でカネヒキリに敗れた。前走の川崎記念は直線でアジュディミツオーに寄られる不利があった。惜しい競馬が続いているが、能力はG1を勝てるレベルまできているので、あとはペリエ騎手がどう導くかだろう。ペリエ騎手はフェブラリーSで7回騎乗して[2-2-1-2]で連対率57%。最近は冴えない騎乗も目立つが、相性のいいレースでどんな騎乗を見せてくれるか。シーキングザダイヤの母シーキングザパールはNHKマイルCの勝ち馬。マイルは合っている。

ヴァーミリアンはエニフS1着、浦和記念1着、平安S2着とダートに替わって一変した。半兄サカラートでダート走る下地はあったとはいえ、凄い変身ぶり。平安Sはタガノゲルニカに負けたが、プラス20キロでレース中に落鉄する不利があった。今回はルメール騎手に乗り替わる。前3走騎乗した武豊騎手にとっては嫌な存在か。アジュディミツオーは東京大賞典と川崎記念を連勝。ジャパンCダートは10着に敗れたが、地方ダートですかさず巻き返した。4走前の武蔵野Sは4着に敗れたが、斤量59キロを背負っていた。今回は57キロ。距離は少し微妙だが、今の時計の掛かるダートならこなせなくはないだろう。

サンライズバッカスは1番人気に支持された根岸S4着。出遅れて後方を進み、直線で最内を突いたが、スムーズに捌けずに脚を余した。力で負けた訳ではない。武蔵野Sはカネヒキリと3キロ差の斤量が有利だったが、強い勝ち方だった。今回は初の57キロで柴田善騎手に乗り替わる。柴田善騎手は04年以降G1で[0-0-0-27]。そのあたりをどう考えるか。ブルーコンコルドは4連勝でJBCスプリントを制した。前走のガーネットSは5着に敗れたが、馬体が15キロ増えていた。今回は本番の仕上げになるが、時期的にどこまで絞れるか。04年のフェブラリーSでは大外から追い込んで見せ場十分の5着に好走している。

昨年の勝ち馬で前2走の59キロから解放されるメイショウボーラー、ガーネットSと根岸Sを制して勢いに乗るリミットレスビッド、ダート5戦5勝で前走平安Sを制したタガノゲルニカ、ダートG1で4勝を挙げているタイムパラドックス、左回りのダ1600mがベストで南部杯2勝のユートピアなど、かなりの好メンバーが揃った。ここで名前を挙げなかった馬も条件が揃えば穴をあけても何ら驚けない。能力、距離&コース適性、調子、馬場状態、展開などを含めて、総合的に判断する必要がある。今年最初のG1レース。相馬眼的な評価を含め、最終決断を下したい。

2006/02/16

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