フェブラリーS
有力馬診断

[7 ]カネヒキリ
休み明け、ドバイ遠征前のレースで栗東での乗り込みは多くない。不安が見え隠れするが、それでも最終調教は芝コースでスピード感ある走りを見せた。体重は少し増えているようだが、太め感なく仕上がっている。一応、当日の馬体重を注意したいが、パドックで太め感なくいつものように落ち着いて周回していれば力を出せるだろう。ユニコーンSと武蔵野Sは芝からのスタートで出遅れたが、元々出遅れ癖がある訳ではないので、楽観的に考えれば3度目で普通に出るのではないか。まともにスタートを切って中団あたりにつけるのが理想。出遅れて最後方を進むようだと展開に左右される。武蔵野Sはサンライズバッカスに負けたが、斤量3キロ差があったし、本番のジャパンCダートを前に絶対に勝つという競馬をしなかった。マイルの高速決着に対応できるスピードがあり、東京向きの大きなストライドで末脚の威力もある。東京ダ1600mを不安視されているが、少なくとも苦手ではないだろう。土曜は外からの差し追い込みがかなり決まったという事実も後押しする。土曜に勝ったチョウカイロイヤルとベルーガの前走のタイムと比較すると今週の東京は少し時計が早くなっている。これが少しレースに影響しそうだ。相馬眼的に高評価できる馬でドバイWC制覇の期待を賭けている馬。大外から力で捻じ伏せる競馬を期待したい。

[6+]シーキングザダイヤ
昨年のフェブラリーSとジャパンCダートの2着馬。これまでダートG1で7戦して[0-6-0-1]で2着が6回もある。勝ち切れないのは決め手がないためだろう。陣営はそれを知ってか、坂路で終い重点で一杯に追ってきた。瞬発力に磨きをかけようとしているが、秋からずっと使っているので大きく変わるかどうか。ただ使い詰めでも一連のデキはあるので、力は出せるだろう。絶対能力の高さで2000m以上の距離でも好走しているが、おそらくベストはダ1600m。芝・ダートの1600mは[2-2-0-1]でNHKマイルCで7着に敗れた以外は崩れていない。芝1600mをこなすスピードがあり、かつダートでは切れ味のなさを補える。自在性があり好位につけられるので、今回も直線でしぶとさを発揮しそうだ。ハイペースに巻き込まれたり、前に行った馬に有利な流れでも決め手勝負になったときにどこまで踏ん張れるか。持ち味がしぶとさだけに勝てる展開は限られそう。

[6+]ブルーコンコルド
陣営の思惑通りガーネットSを使われて良化してきた。3週前から好時計を出し、最終調教は重心の低いフットワークで最後まで力強い脚捌き。JBCスプリントのときのデキに戻ったとみたい。ダ1400mは[5-0-0-4]に対し、ダ1600mは[0-0-0-2]。ベストはダ1400mだが、04年のフェブラリーSで大外から追い込んできた姿が忘れられない。そのときの上がり3Fはアドマイヤドンより0.1秒早いメンバー最速の35.4秒。3、4コーナーで少しごちゃつく不利があったし、4コーナーで後方2番手という位置取りも後ろ過ぎた。ラスト1Fを過ぎて前と脚色が一緒になったところがベストは1400mというのを裏付けているが、今はそのときより地力はかなり強化されているし、乗り方次第でこなせるとみる。あとは幸騎手がどう乗るかだろう。幸騎手は00年以降の東京ダ1600mで[1-0-0-10]。幸騎手に期待はかけられないが、馬の底力はここでも通用するはずだ。

[6+]ヴァーミリアン
まだ一線級とは戦っていないが、ダートに替わっての変わり身は目を見張るものがある。前走の平安Sはタガノゲルニカに競り負けたが、名古屋GPが中止になった影響で体重が20キロ増え、しかもレース中に落鉄する不利があった。重い馬体で激走した反動が気になるところだが、最終調教は前走より馬体、動き、気配とも目立ち、反動どころが逆に使ったことで良くなっている。東京コースは初めてだが、浦和記念を勝ったように長距離輸送はこなせる。その浦和記念がハードクリスタルを子供扱いするインパクトのある走り。武豊騎手がこんなに強いのかと何度も後ろを振り返っていたのが印象的。半兄サカラート、半姉スカーレットベルもダート走るが、父がエルコンドルパサーに変わったことで馬体の厚みが増した。これが底力の源になっているのだろう。前に行って早い上がりを繰り出せるのは大きな武器。あとはマイルの速い流れに対応できて終いが甘くならなければ頭まであるかもしれない。

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