桜花賞
レース展望

牝馬クラシックの第一弾。昨年はレベルの高かったフィリーズレビューを勝ったラインクラフト、2着デアリングハート、3着エアメサイアが、それぞれ桜花賞で1、3、4着。2着はフラワーCを楽勝したシーザリオ。前半3F33.8秒のハイペースで能力が問われ、レベルの高いレースをしてきた馬が結果を出した。今年は昨年のフィリーズレビューのようなハイレベルのレースはなく、昨年と比べるとはメンバーは落ちる感じだが、相馬眼的に評価でき、まだ底を見せていない馬がいる。昨年のシーザリオは凄い馬体だったので、それには敵わないが、今回どんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみだ。

過去10年で1番人気は[3-1-2-4]で4連対。最近5年は[2-1-2-0]で全馬3着以内を確保しており、前走重賞を勝って中2〜4週できた馬は[2-1-0-0]で連対率100%。1番人気はこれがひとつの目安になる。2番人気は[2-2-1-5]で4連対、3番人気は[1-0-1-8]で1連対のみ。6番人気以下の人気薄が7連対で馬連は50倍以上が2回、万馬券が2回とかなり荒れている。トライアルの勝ち馬が人気で不振に終わり、人気の落ちたトライアル2〜4着馬が巻き返すのが例年のパターン。トライアルの結果は重要ファクターだが、真の実力と適性を見抜きたい。

アドマイヤキッスは未勝利勝ちしかなく、チューリップ賞で3着以内に入らないと桜花賞に出走できないという状況だったが、休み明け、初重賞挑戦、不利な外枠という厳しい条件を克服して見事に優勝した。外枠スタートから終始外を回って差し切ったことは評価できる。札幌の未勝利戦を札幌2歳Sと0.2秒差の1分50秒6で楽勝したことはやはりダテではなかった。そのときのラスト2Fは12.4-12.3秒と尻上がり。軽く仕掛けただけだった。チューリップ賞の勝ちタイムは1分36秒5。今週の馬場にもよるが、時計を詰める必要がある。

フサイチパンドラはキャリア1戦で臨んだ阪神JFで3着に好走したが、その後500万条件3着、エルフィンS6着に敗れ、賞金上積みに失敗。2月のきんせんか賞を勝ち、前走のフラワーC2着でようやく出走に漕ぎ着けた。新馬戦を好タイムで楽勝した馬で能力はあるが、まだ強さとモロさが同居している。現時点では早め先頭から押し切る競馬が合うようだ。今回は3戦連続の中2週になるが、先週土曜の坂路で1番時計を出した。使い込まれているが、白井厩舎の管理馬らしくタフな馬。ここ2戦より、さらにパフォーマンスを引き上げられるかが課題。

阪神JFを勝った2歳女王テイエムプリキュア、フラワーCでフサイチパンドラを差し切ったキストゥヘヴン、菜花賞とクイーンCを連勝したコイウタ、フェアリーSとフィリーズレビューを勝ち現在4連勝中のダイワパッション、チューリップ賞で2着に好走したシェルズレイ、アネモネSを逃げ切ったアサヒライジング、昨年小倉2歳SとファンタジーSを勝ったアルーリングボイス、昨年函館2歳SとファンタジーSで2着したラッシュライフあたりが人気面で続きそう。キストゥヘヴンはアンカツ、コイウタは横山典騎手、シェルズレイは岩田騎手、アルーリングボイスはデムーロ騎手が騎乗することによってそれなりに人気を上げそうだ。

テイエムプリキュアはチューリップ賞を1番人気で4着に敗れた。チューリップ賞の1番人気は桜花賞で巻き返すことが多いので注意。前走は熊沢騎手が落馬骨折のため、騎乗できなかった。乗り難しい馬だけにその影響もあったのだろう。直線では外からアドマイヤキッスに被せられて狭くなるシーンもあった。キストゥヘヴンはフラワーCで横山典騎手が内でタメたとはいえ、直線で凄い伸び脚。2走前の中山芝1600mの未勝利戦は不利な大外枠だったが、早め先頭から押し切る強い勝ち方だった。420キロ前後の小柄な馬。厳しいローテーションと初の長距離輸送をこなせば。

2006/04/06

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