桜花賞
有力馬診断

[7+]アドマイヤキッス
今年の出走馬で相馬眼的に最も評価できる馬。フサイチパンドラも馬体の作りは評価できるが、精神面などを含めた総合的な評価はこちらの方が上。サンデー産駒は煩い馬が多いが、アドマイヤキッスは落ち着きがあり、煩い面を全く見せない。賢い馬は強くなる。騎手の指示通りに動けるのは、混戦になるG1では大きな強み。陣営が桜花賞出走に向けてチューリップ賞一本に絞ってきたのは、休み明けでも能力と競馬センスで何とかなるという自信があったのだろう。松田博調教師はベガで93年の桜花賞とオークスを1番人気で制している。どのレベルの馬が牝馬G1を勝てるかよく分かっている調教師。強気なコメントは、アドマイヤキッスがG1を勝てるレベルに到達しているということなのだろう。

チューリップ賞の勝ち時計は遅いが、休み明けで大外を回るロスがあってのもの。休養前より自身のパフォーマンスを引き上げたことで、今回は一気にパフォーマンスが跳ね上がる可能性が高い。競走馬が強くなるときは段階を踏む。その段階のひとつがチューリップ賞だったとみている。最終調教は終い重点で鋭く伸びて前の馬を並ぶ間もなく差し切った。馬体が引き締まり、動きが一段と素軽くなった。ひと叩きされて確実に良化している。さらに4枠8番という理想的な枠に入り、鞍上は桜花賞で[5-3-1-6]の武豊騎手。1番人気では[3-0-1-0]で出遅れたアドマイヤグルーヴ以外は勝っている。激しいレースになれば、1800mをこなすスタミナが利いてくる。札幌芝1800mの未勝利戦の勝ちっぷりはインパクトがあった。

[7 ]キストゥヘヴン
未勝利戦から中1週、中1週、そして今回が中2週とローテーションはかなり厳しい。しかも今回は初めての長距離輸送があり、力のいる状態が続いている阪神コース。420キロ前後の小柄な馬には、かなり厳しい条件が揃っている。それでも注目したいのは、フラワーCでフサイチパンドラを負かしたという事実とその前の中山芝1600mの未勝利戦の勝ちっぷり。フラワーCは内ラチ沿いをロスなく回ったとはいえ、最後の弾け方は並ではなかった。横山典騎手が「桜花賞でマイルに戻るのはいい。そこでも切れるよ」とコメント。勝ち時計は前半のペースが違うとはいえ、翌日のスプリングSと同タイムだった。

2走前の未勝利戦は不利な大外16番枠から終始大外を回って早め先頭から楽々と後続を突き放した。内を通った馬が断然有利な馬場で外を回っての楽勝は時計、勝ちっぷり以上に評価できる。レースのラスト3Fは12.4-11.9-11.9秒で最後の1Fはラップが落ちなかった。これは余裕があったことを示すもの。過去に牝馬G1を勝った馬たちは尻上がりラップで勝っている馬が多い。急坂のある中山ならこのラップでも評価したい。通用する下地はあるので、厳しいローテーションと長距離輸送をこなせば。陣営は火曜に追い切って阪神に早めに入った。これがプラスに働かないか。

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