アンタレスS
レース展望

96年に新設されたダート重賞。03年にハンデ戦から別定戦に変更された。過去10年で1番人気は[2-1-1-6]で3連対。別定後はゴールドアリュール1着、サイレンスボーイ2着と堅実だったが、昨年はヒシアトラスが4着に敗れた。2番人気は[2-1-0-7]、3番人気は[3-0-0-7]でともに3連対。別定後の馬連は6.6倍、4.7倍と堅かったが、昨年は5-10番人気で147倍の万馬券になった。ハンデ戦時代はマーチSで負けて斤量が軽くなかった馬が好走したが、最近はマーチS組は3着止まりが多い。99年以降、道中3番手以内につけた馬が必ず1頭連対するパターンが続いている。前残りに注意したい。

ヒシアトラスはトップハンデ59キロを課せられたマーチSで力の違いを見せつけて快勝。今回はそのときより2キロ軽い57キロはかなり有利に映る。京都ダ1800mは[1-2-1-4]で昨年の平安Sを勝った後はアンタレスS4着(1人気、57キロ)、エニフS4着(4人気、58キロ)、平安S5着(1人気、57キロ)と善戦止まり。昨年の平安Sを楽勝しているように適性がない訳ではないが、直線が平坦なコースで上がりが早くなり、外を回るような展開になると厳しいようだ。直線に坂のある中山・阪神タ1800mでは[7-2-1-1]と堅実。鞍上は昨年のアンタレスSでも騎乗した横山典騎手。腕の見せどころ。

フィフティーワナーは未勝利戦から4連勝で一気にオープン入り。以前から相馬眼的に注目している馬で秘めた能力は相当。心肺機能が高いので、激しい競馬になっても簡単にバテないのがいいところ。このまま順調に成長すれば、カネヒキリといい勝負ができるのではないか。今回は休み明けで仕上がりが鍵になるが、陣営は武豊騎手を乗せてきた。初重賞挑戦でメンバーもペースも違うが、どれくらいやれるのか楽しみ。カフェオリンポスは休み明けのコーラルSを快勝。斤量59キロは楽ではないが、目下の充実ぶりが目立つ。短い距離もこなすが、この距離も守備範囲。

あとはJBCクラシック4着、JCD7着、川崎記念4着、フェブラリーS6着とG1で善戦してきたサカラート、一昨年のトパーズSと前走の仁川Sでヒシアトラスを差し切ったエンシェントヒル、昨年の勝ち馬ピットファイター、マーチSで2着に入り穴をあけたプライドキム、昨年のトパーズSでカフェオリンポスを抑えて勝ったベラージオ。サカラートは今やヴァーミリアンの半兄と立場が逆転しつつある。初の58キロだが、岩田騎手で変わるか。エンシェントヒルは前走と同じ54キロ。ヒシアトラスが強引な競馬で勝ちに行けばまた嵌るかもしれない。あとは2連勝でオープン入りしたフィールドルージュ。賢そうな馬でタガノゲルニカ(平安S勝ち)のような雰囲気がある。

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