オークス
レース展望

牝馬クラシック第2弾。桜花賞はキストゥヘヴン、アドマイヤキッス、コイウタで決着し、キス、キッス、コイウタとビギナーズラックを誘うような馬券になった。今回はキスとキッスにキストゥヘヴンとアクロスザヘイブンのヘヴンとヘイブンが加わる。あとはキープユアスマイルの母がメロウキスなのでお忘れなく。オカルト馬券派ではないが、どんな決着になるのか結構楽しみ。今年の3歳牝馬戦線は低レベルの混戦模様と言われているが、ここで頭角を表す馬が出てくるはず。相馬眼的に評価できる馬は必ず走ってくる。秋が楽しみになるような強いレース内容を期待したい。

過去10年で1番人気は[3-1-2-4]で4連対。最近は3、5、7、4着と不振だったが、昨年は桜花賞2着馬シーザリオが直線一気で見事に優勝した。桜花賞馬は[1-2-3-2]で3連対。桜花賞馬が1番人気になると[0-0-2-2]で連対がなく、1番人気以外だと[1-2-1-0]で全て3着以内。桜花賞を圧勝して断然人気になる馬ほど不振に終わる傾向がある。阪神芝1600mと東京芝2400mはコースが全く違うので、桜花賞で圧勝するような馬は東京芝2400mは不向きなのだろう。今年の桜花賞馬キッストゥヘヴンは果たしてどうなのか。

2番人気は[2-2-1-5]で4連対、3番人気は[0-0-2-8]で連対なく不振。馬連は10倍以下は昨年しかなく、最近4年で万馬券が3回とかなり荒れている。前々走重賞3着以内で前走桜花賞6着前後に負けた馬が激走するケースが目立つ。オークスは小柄な馬が走ると言われるが、最近5年の連対馬10頭のうち5頭が440キロ以下の小柄な馬。各馬経験のない芝2400mで大型馬はよりストレスが懸かるのだろう。オークスはスローの上がり勝負になる傾向が強く、連対馬20頭のうち12頭が上がり3Fメンバー最速だった。良馬場なら切れる脚のある馬に注目。

キストゥヘヴンはフラワーCを翌日のスプリングSと同タイムでフサイチパンドラに勝ったが、桜花賞は6番人気の低評価。レースではそれを嘲笑うかのように上がり3Fメンバー最速の34.9秒で大外から突き抜けた。馬場のいい外を通ったとはいえ、力がないとあの脚は使えない。中1週が2回続き、桜花賞は中2週で長距離輸送。厳しい条件だったが、火曜に追い切って金曜に阪神入りすることで馬体を維持できた。これが大きかった。今回は距離2400mだが、折り合って前走の末脚が使えれば好勝負できる。外枠に入ったのでアンカツの腕が問われれそうだ。

アドマイヤキッスはここまで5戦して[2-3-0-0]と堅実。休み明けのチューリップ賞を勝ち、桜花賞は最後にキストゥヘヴンに差されたが2着を確保した。断然の1番人気で勝たないといけない立場。大外から早めに上がって行ったことが最後に響いた感じで力負けではない。今回は距離2400m、初の長距離輸送が鍵になるが、おとなしい馬で輸送はこなしそう。距離は母キッスパシオンが短距離馬だったが、折り合いはつくし、持ち前の地力でこなせないか。それほど末脚は切れないので、東京の馬場設定、当日の馬場状態、展開が鍵になる。

カワカミプリンセスは3戦3勝。デビュー戦は逃げ切り、君子蘭賞は直線一気、スイートピーSは中団からの差しと全く違う競馬で勝ってきた。前走はラスト1Fで前とかなり差があったが、最後までしぶとく伸びてゴール寸前できっちり差し切った。レースのレベルは高くないが、道中折り合いを欠いてかなり外を回って差し切ったのだから強い。使うごとに馬体が増えており、前走は長距離輸送をしてプラス6キロ。これはいい傾向。相手は一気に強くなるが、どんなレースを見せてくれるか。本田騎手&西浦厩舎はテイエムオーシャンのリベンジが懸かる。

ブルーメンブラットはフラワーCでキストゥヘヴンと0.3秒差の3着があるようにここに入ってもやれる下地はある。前走の矢車賞はメンバーに恵まれたが、好位から抜け出して6馬身差の圧勝。馬の雰囲気が良くなっていたし、レースを覚えて心身ともに充実してきている。半兄にダート短距離走るジョイフルハートがいるが、父がアドマイヤベガに替わって距離の融通性が出たようだ。ノーザンファーム生産馬で馬主がキャロットファームというのは昨年のシーザリオと同じ。オースミハルカで大物を食ってきた川島騎手&安藤厩舎のコンビ。抽選出走のツキを生かして一発ないものか。

あとは桜花賞3着馬コイウタ、同4着馬アサヒラインジング、フラワーC2着があるフサイチパンドラ、忘れな草賞を勝ったニシノフジムスメあたりが、そこそこ人気になりそう。コイウタは体型的に距離克服が課題だが、横山典騎手がどう乗るか。アサヒラインジングは父が菊花賞2着馬で母父が菊花賞馬だが、やはり距離克服が課題。フサイチパンドラは折り合いが課題だが、距離延びて変わらないか。休み明けで常識的には厳しいが、シークレットコードはどうか。東京芝1600mの新馬戦ではメンバー最速の34.1秒で楽勝している。阪神JFではフサイチパンドラに先着。能力は示している。

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