神戸新聞杯
レース展望
菊花賞トライアルで3着まで優先出走権が与えられる。最近の勝ち馬はシンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、キングカメハメハ、ディープインパクトと名馬が揃う。今年は阪神が改修工事のため中京で行われるが、強い馬による強い競馬を期待したい。過去10年で1番人気は[5-2-2-1]で7連対。最終TRになった00年以降は[4-1-1-0]で複勝率100%。2番人気は[1-2-4-3]で3連対、3番人気は[2-2-0-6]で4連対。1番人気が堅実なため、馬連は10倍台までが8回と堅い決着が多い。最終トライアルになりメンバーのレベルが高くなったため、人気になる実績馬が結果を出す傾向が強まっている。
メイショウサムソンは皐月賞とダービーを制し、2年連続3冠馬誕生の期待が高まる。ミスターシービー、シンボリルドルフに続けるか、まずは始動戦に注目したい。ダービーでは最後の直線でアドマイヤメインが内で食い下がっているのに石橋守騎手は最後手綱を抑えたままだった。メイショウサムソンへの絶対的な信頼がそうさせたのだろう。ある意味インパクトのある勝ち方だった。夏は厩舎に置いて入念に乗り込んでいる。中京では中京2歳Sでレコード勝ちがあるが、今の中京の高速馬場に不安がなくもない。皐月賞とダービーは時計の掛かる馬場。今回は武豊騎手が前にいる。
アドマイヤメインは500万条件を圧勝して頭角を現すと毎日杯1着、青葉賞1着、ダービー2着と一気にG1で通用するレベルまで昇り詰めた。ダービーまでの3連勝は前後半を60秒台でまとめたが、ダービーは稍重の馬場を考慮して前半5F62.5秒のスローに落とした。最後はメイショウサムソンに競り負けたが、自分の勝ちパターンでなかったことも事実。パドックでは橋田調教師渾身の仕上げで馬体&気配が目立っていた。今回はスピードを生かせる2000m。鞍上が武豊騎手が戻るのは大きなプラスだろう。武豊騎手がメイショウサムソンを相手にどういう競馬をするか注目したい。
ドリームパスポートはダービー3着。内を通って前に行った馬が有利な馬場&展開で唯一外から差してきた。上がり3Fはメンバー最速の34.9秒。強い競馬をしている。ここまで9戦して[2-4-3-0]と堅実で上がり3Fは全てメンバー1、2位という切れ者。ダービーのレース中に右第3中手骨を骨折したが、軽いものでここまで順調に乗り込んできた。今の中京で後方からの競馬で差して来れるかどうかは微妙なところだが、末脚は確実で馬群を割れる器用さもある。鞍上は皐月賞で2着に持ってきた高田騎手。多少不安はあるが、そのぶん配当はいい。
フサイチリシャールは朝日杯FS1着、皐月賞5着、NHKマイルC6着、ダービー8着と使われるごとに着順を下げた。地力はあるが、詰めの甘さを露呈し始めている。ただローテーションが厳しかったので、その点は考慮したい。昨年の東スポ杯2歳Sではメイショウサムソンを子供扱いしている。リフレッシュして調子を上げているようなら侮れない。松田国厩舎はローズSをシェルズレイで穴をあけた。ダービー6着のアペリティフ、ラジオNIKKEI賞を勝ったタマモサポート、同2着のソングオブウインド、京都新聞杯3着があるマイネルポライトはどこまで上位に迫れるか。菊花賞に向けて楽しみなレース。各馬力を出し切る好レースを期待したい。
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