スプリンターズS
レース展望

秋のスプリント王決定戦。今年はレベルの高い外国馬が4頭出走。例年とは少し違ったレースになるかもしれない。過去10年で1番人気は[4-3-1-2]で7連対。一昨年のサニングデールは致命的な不利があリ9着に敗れたが、スプリントG1実績馬は信頼度が高い。2番人気は[1-3-4-2]で4連対、3番人気は[0-3-1-6]で3連対。秋開催になった00年以降の連対馬12頭のうち00年に16番人気で勝ったダイタクヤマトを除く11頭が5番人気以内と人気馬が堅実。そのため馬連は堅く収まることが多い。01年以降、セントウルS連対馬は[1-1-2-6]でビリーヴの2連対のみ。今年は中京で行われたが果たしてどうだろう。

オレハマッテルゼは高松宮記念勝ち馬。初めての芝1200mで初重賞制覇がG1となった。2着も初の芝1200mだったラインクラフト。今年のスプリント戦線はデュランダルなどスプリントG1馬が引退したことで混戦模様。高松宮記念はG1とはいえ、多少メンバーに恵まれた感があったのは否めない。ただこれまで詰めの甘さで勝ち切れなかった馬が上がり3F33.9秒で抜け出したのは事実。続く京王杯SCは59キロを背負って逃げ切りと強い内容だった。今回は安田記念以来の出走となるが、休み明けは[3-1-0-1]と苦にしない。今年は外国馬が強力だが、日本唯一のスプリントG1馬の意地を見せたいところ。

シーイズトウショウはスプリント重賞で4戦連続連対中。負けた2戦は勝ち馬と斤量差があったし、函館スプリントSはスムーズさを欠いた面もあった。高松宮記念ではオレハマッテルゼに0.3秒差の3着に敗れたが、その前のオーシャンSで馬体が大きく減って立て直しに苦労した経緯がある。前走のセントウルSは札幌から中1週という厳しいローテーションを承知でサマースプリントシリーズ優勝を獲りに来て見事に1着。強い勝ち方だったが、今回は中2週で中山に輸送がある。昨年のスプリンターズSは30キロ減、今年のオーシャンSは18キロ減と馬体が大きく減っていた。今年はデュランダルがいないため、主戦・池添騎手が騎乗する。

この2頭以外で今年の古馬スプリント重賞を勝った馬はタマモホットプレイ、ビーナスライン、チアフルスマイルの3頭。タマモホットプレイはシルクロードSの勝ち馬。昨年のスプリンターズSは後方から切れる脚を使って0.6秒差の6着。地力強化された今年は渡辺騎手で昨年以上を目指す。ビーナスラインは函館スプリントSでシーイズトウショウを並ぶ間もなく差し切った。キーンランドCでも後方から鋭く伸びて3着と函館スプリントSがフロックでないことを証明している。チアフルスマイルはキーンランドCで初重賞制覇。札幌が得意ということもあるが、スムーズなレースをしたシーイズトウショウを差し切るのは並の馬にはできない。池江郎厩舎は力の入る日。

外国馬は昨年の覇者サイレントウィットネス、セントウルS2着のテイクオーバーターゲット、英G1を2連勝中のレザーク、4走前の英G2でテイクオーバーターゲットとハナ差の2着があるベンバウンの4頭が出走する。サイレントウィットネスはデビューから17連勝した歴史的名馬。昨年のスプリンターズSは好位から抜け出す強い内容でデュランダルを完封している。昨年のデキにあれば勝ち負けになりそうだが、今年は4戦して7、3、2、9着と勝ち星がない。昨年とは勢いが違う点がどうかだが、日本の馬場適性は既に証明しているし、リフレッシュして立ち直っている可能性もある。クルーズ調教師がどう仕上げてくるのか、最終調教に注目したい。

テイクオーバーターゲットは59キロを背負ったセントウルSで2着。シーイズトウショウには3馬身突き放されたが、絶対に勝ちたい馬と次が勝負の馬との差もあった。楽な手応えで前につけたようにスピード能力の高さを感じさせたし、次走に期待を持たせる内容だった。2戦目で馬体は少し絞れてくるのではないか。レザークは前2走でテイクオーバーターゲットに完勝している。早い持ち時計がなく日本の馬場は未知数だが、走法、調教での走りからそこを見抜きたい。ベンバウンはG1勝ちがなく4頭の中では格下だが、日本の馬場適性があるようなら侮れない。ジャパンCではこういうタイプの激走が多い。中山は最終週で今週もCコースで行われる。各馬の走法から馬場のマッチグングを見抜きたい。最後は相馬眼で斬る。

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