ジャパンCダート
レース展望
00年に新設されたダートの国際G1。今年は外国馬の出走がなく、ジャパンCには過去最低の2頭。JRA理事長がディープインパクトの禁止薬物を汚点と言い切るのなら、外国馬が集まらなかった今年のジャパンCはJRAの汚点か。責任の所在と今後の対策を切に望む。過去6年で1番人気は[2-2-1-1]で4連対。00年の牝馬のファストフレンドが5着に敗れたが、その後東京では連対を外していない。ただし連対した馬はみな単勝2倍前後の断然人気馬。今年は人気が割れるようだとこれまでとは違う。2番人気は[0-0-0-6]で連対なし、3番人気は[0-1-0-5]で1連対と不振。
馬連は10倍以下が2回あるが、32倍、44倍、59倍、601倍(02年中山)と中穴決着が多い。10番以下で連対した3頭のうち2頭はリージェントブラフとシーキングザダイヤで残る1頭は外国馬。リージェントブラフは川崎記念の勝ち馬で帝王賞と東京大賞典で2着があった。シーキングザダイヤは川崎記念、フェブラリーS、南部杯で2着があった。人気の盲点になったダートG1実績馬が穴をあけるので注意。東京で連対した日本馬9頭のうち7頭は東京のダート重賞で連対があった。フェブラリーSと武蔵野Sで連対経験のある馬には要注意。最近は前走JBCクラシックを使ってきた馬の活躍が目立つ。
シーキングザダイヤはダートG1で[0-8-0-2]で2着率80%。ディアデラノビアの重賞で3着6回というのも凄いが、この2着率は桁外れ。ダ2000m以上のG1では[0-5-0-0]で2着率100%。勝ったタイムパラドックス、カネヒキリ、アジュディミツオーはそれぞれG1を5勝、4勝、5勝。相手が悪かったというべきか。今回は前走JBCクラシックで負けたタイムパラドックスはいるが、カネヒキリとアジュディミツオーはいない。叩き4戦目で昨年のパフォーマンスを発揮できればもう順番か。芝を含めこれまで勝った距離は1400〜1800m。詰めが甘くなるのは距離なのかもしれない。鞍上は武豊騎手。先週のマイルCSは2着だった。
タイムパラドックスは前走JBCクラシックを勝ちG1-5勝目を挙げた。8歳にしてG1制覇。これまで50戦して16勝2着7回で重賞9勝。これほど馬主孝行のタフな馬は珍しい。ダ2100mは[4-0-1-1]でジャパンCダート、川崎記念、JBCクラシックを勝っている。ダ2000mは[1-0-2-3]で1勝だが、距離が100m延びると全く成績が違うのだから、この距離が合っているのだろう。昨年は0.2秒差の4着だったが、今年も馬券圏内にいる。鞍上の岩田騎手はJBCクラシック、メルボルンCを勝つなど活躍しているが、今年のJRAのG1は[0-0-3-13]で連対がなく、人気で不振に終わるケースが目立っている。
サンライズバッカスは昨年のジャパンCダートで後方からメンバー最速の36.1秒で追い込んで0.2秒差の5着と見せ場を作った。その後不振に陥っていたが、休み明けの武蔵野Sで2着に好走。昨年の武蔵野Sではカネヒキリを負かしたように東京コースが合うのだろう。叩き良化タイプでひと叩きされたのはプラス。鞍上にこの秋好調のアンカツを迎え人気を集めそうだ。メイショウバトラーはダートのG3を3連勝して臨んだJBCマイルはブルーコンコルドに差されて2着。3コーナーから捲って直線で先頭に立ったが、少し強引過ぎたか。芝2000m[2-1-0-2]から距離は守備範囲。ダートではまだ底を見せていない。
ブルーコンコルドは南部杯、JBCマイルを2連勝。これまで1400mがベストだったが、マイルもこなせるようになった。年齢とともに地力が強化されているが、今回はやはり距離2100mをどうこなすかが課題だろう。あと500mを幸騎手がどう持たせるか。ジンクライシスはホッカイドウ競馬に転厩してから[2-1-3-0]で複勝率100%。以前は賞金不足で除外されて調整が難しかったが、使いたいレースを使えるようになって崩れなくなった。一昨年のジャパンCダートでは見せ場たっぷりの3着。[4-5-0-0]のダ1400〜1700mがベストだが、東京ダートは[2-4-1-1]で複勝率75%と得意にしている。
武蔵野Sは内の狭いところに入って5着もダート適性は見せたフサイチリシャール、ダ2100m以上の重賞[2-2-0-2]で前走JBCクラシックでは2番人気に支持されたハードクリスタル、前走の東海Sは心房細動で13着惨敗もダートではまだ底を見せていないヴァーミリアン、武蔵野Sでメンバー最速の末脚で3着に突っ込んだフィールドルージュ、ダート4連勝でオープン入りしこのコース2戦2勝のアロンダイト、デットーリ騎手が騎乗するピットファイターあたりが人気面で続きそう。フサイチリシャールは距離、ハードクリスタルはG1での底力、ヴァーミリアンは仕上がりがポイントになりそうだ。重賞連対はないが、相馬眼的にフィールドルージュの一発はないものか。
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