阪神JF
レース展望
2歳女王決定戦。阪神競馬場が改修され、今年から外回りコースに変更された。向こう正面からのスタートに替わり、これまでの外枠不利の傾向が変わるのか注目される。新コースで行われる初めての重賞。好レースを期待したい。過去10年で1番人気は[3-0-2-5]で3連対のみ。連対を外した7頭のうち6頭がファンタジーS連対馬。スイープトウショウは5着、ラインクラフトは3着に敗れている。この結果は京都芝外1400mと阪神芝1600mの違いを如術に示しているが、今年から外回りコースに変更されるため、この限りではない。これまでの傾向とは逆にファンタジーS組が活躍する可能性があるので注意。
2番人気は[1-0-3-6]で1連対、3番人気は[1-3-0-6]で4連対。最近5年の連対馬10頭のうち8頭が6番人気以下の人気薄。人気馬同士の決着はほとんどなく本命狙いは妙味がない。馬連は10倍以下はなく、50倍以上が2回、万馬券が4回とかなり荒れている。昨年は8-9-2番人気で決着し、3連単は31万馬券と大荒れだった。ファンタジーSで好走した馬が人気になって不振に終わるのが主な波乱要因。6番人気以下で連対した12頭のうち6頭が1枠または3枠の馬。開幕週で芝が絶好のため、これまでは内枠スタートからコースロスなく進めてきた馬が穴をあけている。
アストンマーチャンは4戦3勝で小倉2歳SとファンタジーSを連勝。ファンタジーSは好位から弾けて2着に5馬身差をつけてレコード勝ち。ファンタジーSで直線一気を決めたスイープトウショウ、2着に4馬身差をつけたラインクラフトも強い勝ち方をしたが、インパクトでは負けてはいない。相馬眼的に評価できる馬で現時点の完成度が高く、スピードがあって終いも切れる。能力の絶対値を見せつけただけにファンタジーSで負かした馬には簡単に負けないだろう。まだ少し折り合いに課題はあるが、折り合えば距離はこなす。武豊騎手は過去10年の阪神JFで[0-0-0-10]と不振。新コースで流れを変えるか。
ルミナスハーバーは京都芝内1600mを1分33秒8の好タイムで2着に7馬身差をつけてレコード勝ち。上がり3Fはメンバー最速の34.1秒。これは2位を1.6秒上回る。直線の弾け方はインパクトがあった。続く500万条件は中団から伸びて2馬身半差で楽勝。最後は余力十分だった。2着のゼットカークはその前のかえで賞でカノヤザクラとハナ差の2着で1分20秒8のレコードで走っている。一戦ごとに馬体が減っているので馬体を維持できるかが課題。ヒシアトラスの半妹で父がアグネスタキオンに変わり芝向きのバネが加わった印象。まだ馬体の線は細いが、相馬眼的に大化けする可能性があることを付け加えておく。
ファンタジーS2着のイクスキューズ、同3着のハロースピード、黄菊賞の2着のウオッカ、コスモス賞でナムラマースの2着があるローブデコルテ、くるみ賞を勝ったピンクカメオ、新潟2歳S2着があるマイネルージュ、デイリー杯2歳S4着のクラウンプリンセスあたりが人気面で続きそう。イクスキューズはかなり掛かっていたが、それで2着を確保したのだから底力がある。クローバー賞でレコード勝ち、札幌2歳Sで牡馬相手に小差の3着はダテではない。クローバー賞のように内枠スタートから前に馬を置いて折り合いをつけられれば。ハロースピードはスムーズさを欠いた面があった。関西2戦目で落ち着いて競馬ができれば。今回は岩田騎手に乗り替わる。
ウオッカは京都芝内1600mの新馬戦を逃げて3馬身差で楽勝。黄菊賞は控える競馬で勝ちに行かなかった。角居厩舎らしい好馬体の持ち主で潜在能力は高そう。鞍上は03年の阪神JFをヤマニンシュクルで制した四位騎手。一発が怖い。ローブデコルテは相手なりに走るタイプで大崩れがない。ピンクカメオはブラックホークの半妹。この馬も相手なりに走る。マイネルージュは阪神JFと連動性のある新潟2歳S連対馬。持ち味のしぶとさを生かせれば。クラウンプリンセスは終い勝負でどこまで突っ込んでこれるか。外回りコースで最後の直線が長いが、3、4コーナーもかなり長い。そこと開幕週の馬場を考慮したい。
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