朝日杯FS
レース展望

2歳王者決定戦。過去10年で1番人気は[3-4-2-1]で7連対。1番人気は前走重賞勝ち馬なら[2-4-0-0]で連対率100%だが、前走重賞で負けた馬は[0-0-1-0]、前走が重賞でない馬は[1-0-1-1]と不振。ここ2年は東スポ杯2歳S2着馬といちょうS勝ち馬が3着に敗れている。1番人気は前走重賞勝ち馬なら信頼度高い。2番人気は[3-2-1-4]で5連対で過去10年1、2番人気のどちらかが必ず連対している。3番人気は[0-1-1-8]で1連対と不振。10番人気以下の連対は00年の勝ち馬メジロベイリーのみ。馬連は10倍台までが6回と多く堅く収まる傾向。万馬券決着はない。

過去10年の連対馬20頭のうち19頭が前走連対しており、そのうち17頭が前走勝っていた。前走3着以下に敗れた馬の巻き返しは厳しい。唯一京王杯2歳S5着から巻き返した04年のマイネルレコルトは出遅れが敗因だった。明らかな敗因がある場合を除き、前走は2着以内が条件。前走勝って勢いに乗る馬に注目したい。中山芝1600mの外枠はコースロスが大きく、多頭数になるほど不利になる。過去10年で8枠は[0-1-0-18]で1連対のみ。唯一連対したのはデビューから無傷の4連勝で重賞2連勝中のメイショウボーラー。馬場状態や展開にもよるが、8枠は少し割り引きたい。

オースミダイドウは無傷の3戦3勝。デイリー杯2歳Sは初めて控える競馬をしたが、道中頭を上げて折り合いを欠き、直線では厳しい位置取りになったが、最後はきっちり差し切った。並の馬なら馬群に埋もれてしまうケースだが、京都外回りの長い直線と底力で克服できた。当日は馬体が4キロ増えていたが、まだ腹回りが少し細く映り、使うごとにテンションが高くなり発汗していたのが少し気になるところ。4戦目でこのあたりが改善されてくるかが鍵。あとは多頭数の中山マイルで折り合って直線で捌けるかどうか。今回は武豊騎手が香港遠征のため、ペリエ騎手に乗り替わる。

マイネルシーガルは2戦2勝。いちょうSは向こう正面で挟まれて落馬寸前の大きな不利があったが、そこから盛り返して差し切り勝ち。まともなら2着を引き離して楽勝していた可能性が高い。馬が走りに前向きでいい脚を長く使え、競馬センスが良く勝負根性もある。多頭数の競馬は初めてになるが、ごちゃつく中山マイルをこなす下地はありそうだ。父ゼンノエルシドは中山マイルの京成杯AHを1分31秒5で2着に4馬身差をつけて楽勝している。今回はここ2戦とはメンバーが違うが、いちょうS5着のアロマンシェスが京王杯2歳Sで0.1秒差の3着に好走している。相馬眼的にも通用しそうだ。

マイネルレーニアは5戦3勝で芝1400mは3戦3勝。京王杯2歳Sは好位から抜け出してそのまま粘り切った。3走前のダリア賞もそうだったが、雨で少し馬場が緩んで適度に上がりが掛かるのがいいようだ。新潟2歳S3着はあるが、京王杯2歳Sでラスト1F12.6秒かかっただけに1F延長でどこまで踏ん張れるかが鍵。スピードと先行力を生かしたい。フライングアップルは東スポ杯2歳S2着。大外枠スタートから終始外を回ってきたが、最後までいい脚を使って惜しい2着。馬体は一戦ごとに引き締まり良くなっている。4戦4連対と堅実だが、全てスローペースのため速い流れに対応できるかが鍵。

ドリームジャーニーは東スポ杯2歳S3着。出遅れて掛かり気味に上がっていき、そこから一旦下げて直線では馬場の悪い最内を突くリズムの悪い競馬だった。回転の早いフットワークで小回りコースの方が合うタイプ。実際、中山マイルの芙蓉Sでは後方から差して楽勝している。長距離輸送が続くので馬体の維持と当日のテンションが鍵。ゴールドアグリとアドマイヤヘッドは京王杯2歳Sで出遅れて流れに乗れず4、5着。一応の敗因はある。ゴールドアグリはスタートを決めて流れに乗れれば。広いコースが合うタイプなので中山コースの克服が鍵。アドマイヤヘッドは内枠スタートから内をロスなく回って捌いて来るのが理想。

あとは京王杯2歳S2着のマイネルフォーグ、デイリー杯2歳S2着のローレルゲレイロ、横山典騎手が騎乗するアドマイヤホクトあたりが人気面で続きそう。マイネルフォーグはマイネルレーニアとクビ差だったが、人気には差が出そう。鞍上は昨年の朝日杯FSでスーパーホーネットを持ってきた内田博騎手。ローレルゲレイロは前走、距離に目処を立てた。キングヘイロー産駒に本田騎手というのはカワカミプリンセスと同じ。器用な脚を生かして上手く立ち回れれば。アドマイヤホクトは距離が課題だが、連勝中の勢いがある。昨年の朝日杯FSは流れが緩んだが、例年はハイペースでスピードと底力が問われる。それと調子、枠順、相馬眼的評価を加味したい。

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